以前の質問の回答:東京電力尾野氏
「発災直後に3号機のタービン建屋の地下たまり水の中に長靴で入ってしまった方、あるいはあの革靴で入って足が水にぬれてβ被ばくをされた方の線量はいくつでしたか」と云う事とその線量の評価方法についてご質問をいただいてたかと思います。
そのー、足首ですね、こちらの線量ですけれども2名の方は466mSvと云う風に評価されております。
で、1名の方は足に汚染は御座いませんでしたので線量はなしと評価されております。
この評価は、放医研の方で行っております。
で、放医研が行った評価の考え方でございますけれども、こちらは原子力安全技術センターと云う所が、被ばく線量の測定評価に関するマニュアルというその、手法を示した書簡を出しておりましてその中で様々な方法が条件によって記されてる訳ですが、β線に汚染された水が皮膚について、それによって被ばくしてる場合の評価と云う事もその中に入っておりまして、汚染されてる水の清浄ですね、汚染の濃度等を基にしまして計算で評価すると云うような方法が示されております。
「そちらで評価をしてる」と伺ってる所でございます。
おしどりマコ
ご解答ありがとうございました。
確認なんですけれども、この2名の446mSv というのは、皮膚の透過線量と言う事で良しいでしょうか。
リングバッジではなく計算で出したと云う事ですね。
東京電力尾野氏
はいそうです。
おしどりマコ
わかりました。
私も、原子力安全技術センターの被ばく線量の評価マニュアル2000年度版を取り寄せて呼んだんですが、これ、ちょうど内部被爆関連で調べていた時に読んだのですが、原子力安全技術センターは現在、この被曝線量の測定評価マニュアルは販売中止であると。
平成17年の新法令に伴い見直し作業のため、販売を中止していて、現在はこのマニュアルで運用していないので、参考資料としてお分けするという形で手に入れたのですが、このマニュアルで計算をしたという事でよろしいのでしょうか。
東京電力尾野氏
えっと、正確に申し上げますと評価計算をしているのは放医研。
おしどりマコ
放医研ですね。
東京電力尾野氏
ですので、その内容の詳細ですね、詳細については私共は結果を聞いているという事でございます。考え方としてはこういう考え方があります、と云う事です。
おしどりマコ
なるほど、わかりました、ありがとうございます。
では、緊急時作業中に466mSv、皮膚に直接等価線量の被ばくが出たという事で、その後、リングバッジを付けて何か作業をするというふうにはならなかったのでしょうか。
東京電力尾野氏
えっと、こちらの方は、あの、、、すぐさま、というような状況でいいますと、あの、この場合で言いますと元々水の中に入る作業というのはしないという事が、直ぐにやるべきことでございまして、まあそうした事でございます。
それから、ま、先般も申し上げましたけれども、汚染によって評価することもできますし、汚染があればそこでわかる様になりますので評価に回す事もできますので、そういう状況であったという事です。
それから、あの当然APDによるガンマ線評価という事もしてございますので、要は全身の実効線量の制限と、それから皮膚の局所の制限と云う事を比べますと、ええ、まああの、通常時であれば、えー、全身の実効線量という事でいいますと50mSv、皮膚に対しては500mSvという事でございますので、その雰囲気を支配している線量環境等から、要はγ線によるAPDで見ている事によって、要は実効線量を見ている事によって、皮膚の等価線量が制限値を超えないというような確認も一方ではできますので、当面はそういう形をとっております。
ところが、ま、水処理設備が整ってきまして、γ線が取られてるんだけども、β線源は残ってるという水が、えー出てくるというのが、まあ、2、3ヶ月後から設備が動いてくると出てくるわけになりますので、そういうエリアでの作業のためにリングバッジ等の準備を始めたということでございます。
おしどりマコ
わかりました。
例えば事故直後に作業されていた方々に伺いますと、飛んできた瓦礫に、その散らばっている瓦礫にビニールテープを張って、500mSv/hとか瓦礫の線量を書いて近寄らないようにする、というような事をされていた方々がおられるのですが、その水に浸かるという以外に、高い線源に触れる可能性があるという方々も手にリングバッジははめておられなかったのでしょうか。
東京電力尾野氏
当初の時点では、リングバッジというのはございませんでしたから、使用してございませんけれども、まあ十分な装備、十分な装備というのは手袋するとか、ゴミ手袋するだとか、そういう事で直接皮膚に触れることがないような状態で作業している、という事でございますので、状況としては管理されていたものと云う風に考えています。
おしどりマコ
わかりました。
東京電力尾野氏
あっ、すいません。それから私、446といいましたか。
おしどりマコ
あっすいません。聞き取り違いかもしれません。
四百、、、。
東京電力尾野氏
466。
おしどりマコ
466、すいません、ありがとうございます。
これは足の皮膚の等価線量ですか。
おしどりマコ
わかりました、ありがとうございます。
で、ちょっと別件なんですが、1月7日の午前中に施設共用DGの月1回の起動実験をして、それでJNNのテレビカメラに黒煙が上がっているよううが映しだされていたという事なんですが、あのー、大体その共用DGというのは何KVA(キロボルトアンペア)なんでしょうか。
で、大体その以前の月一回の起動実験という事で、前回の起動実験の日にちと、次の検査の日時は大体どれぐらいなのか、と云う事とあとその起動実験と云うのはどの場所で、どう実験をして、どう排気されるのか、と云うのを伺いたいのですが。
東京電力尾野氏
えっとー、まずあの実験という言葉で仰っておられますが、これはまあ、実験と云うよりは、要はいざという時に動いてもらわないといけない設備がいざという時にちゃんと動くかどうかという事を定期的に動かして点検する、サーベランスと呼んでいるものでございます。
で、今、福島第一原子力発電所でいいますと、
共用DGのAとB、それから5号機DGのAとB、6号機DGのAとB。
6つのディーゼル発電機が運用されておりまして、これは、いざという時に使えないといけませんから、全て月に一回の頻度で起動させて確実に動くと云う事を確認しております。
ですから、煙りに気づかれたという事でのお話だったと思いますが、毎月、6回、ああいう煙が出ているというような、、、。
おしどりマコ
毎月6回やる、という事ですね。
東京電力尾野氏
つまり、6個のDGがありますから、占めて毎月6回起動のサーベランスがあるという格好になります。
東京電力尾野氏
わかりました。結構、大量の黒煙が上がっていたもので、何KVAかなと思ったのですけれども。
東京電力尾野氏
ああ、了解しました。
ちなみに何処の発電所でもあるのですけれども、ディーゼル発電機は非常に大きいもので、大体まあ、この設備でいいましても6.9KVという事で、非常にパワーのあるもの、という事でございます。
因みに、今、話題になっております所内共通DGのBでございますけれど、こちらの方は9300馬力のディーゼル発動機が付いております。大体何に使っている物とイメージしてもらうといいかというと、フェリーのディーゼル機関みたいなものをイメージしてもらうといいかと思います。
ですので非常に大きな物でございまして、それが起動する際にですね、あの、初期排気というのが黒く見える事がございまして、そういうような状況でございます。
ちなみに馬力は先ほど行ったっけ、9300馬力、という事でございます。
それから発電容量でいいますと8300KVAという事でございますので、まあ、かなりのものと理解している。
因みあの、に当然の事ながら排気は、排気設備から出す事になっていますが、いわゆる車のマフラーのようなものですね。それが屋根の上にのっております。そちらから排気が出てきますので建屋の屋根の上から排気が出てきます。
おしどりマコ
わかりました。動画の映像では割と床の方から出ているという絵だったのですけれども、そこが何といいますか、煙突の上部になっていた、という考え方でいいのでしょうか。排気の煙突ではなく。
東京電力尾野氏
排気をしているのはサイレンサーから出てきてますので、サイレンサーから出た排気が風の関係でどう舞ったかは分かりませんけども、特に異状はなかったと云う風に考えております。
おしどりマコ
わかりました。ありがとうございます。
昨年の夏ぐらいにでた1号機、2号機、3号機の温度計信頼性評価結果で、1、3号機に比べ、2号機のRPVとPCVの温度計が突出して故障が多かったのですが、その理由を尋ねた時に「まだ検討中だ」と回答を頂きまして、それからわりと定期的に聞いていたのですが「まだ検討中だ」という事で、2号機の温度計に突出して故障が多い理由というのはまだ分らないのでしょうか。
東京電力尾野氏
現実に2号機の格納容器の中の状況を確認する事が出来ておりませんので、そういう意味から言うと、2号だけ特別な事情があるのかどうか、という事は確認出来ておりません。
おしどりマコ
湿度とか温度とかは1、3号機と同じような状況下ですか。
東京電力尾野氏
そういう意味から言うと、温度から言いましたら1号機の方が初期に注水が途切れてますから、初期の状況からいったら温度条件等は1号機の方が厳しかった可能性もあります。
それから、逆に2号機というのは最後の方までもっていたプラントですので、初期の温度条件からみたら1号機の方が厳しかろうと。
ただ、格納容器の中への蒸気の満たされ方であったり、その後、注水をしている時の中での水の、何ですか、垂れ方と言いますと変ですが、、、というのは当然、元々設計したとおりに全てが、状態が正常であれば、行く場所はっきりしている訳だが、状況が事故の後の状況ですから、それぞれ個性があると云う風に思っておりまして、そういった個性の違いが出ているんだろうと云う風には思っております。
ただ、その個性の違いという物がどういう要因で、何が聞いているのかという事をしっかり調べるためには、中の様子を確認しなければいけませんので、そういう意味で結果として破損が多いと、損傷、故障が多いという事は事実でございますが、それは個性の違いという事になるんだろうと。で、現実の状況として言いますと、温度計というのは、要は所定の温度を測りたいところに熱電対が付いていて、それでそっからまあ、ケーブルが伸びてくるわけですね、リード線がずっと出てきて、まあ、最終的にアンプ等に入って読み取っていくわけですが、格納容器の中で、外の表示器までの間で中継端子箱がございますので、こういった中継端子箱の所が特に痛んでいれば、それは局所的な場所という事になる訳ですが、たまたまその付近が傷んでいれば影響は受けやすいでしょうし、同じように水が垂れたのだけれども、中継端子箱の所じゃないところで垂れていれば、あまり影響は受けないだろうという、要は局所的な事情というのも影響しうる物でございますので、これは、あの「そうだ」という事を言っている訳ではないのですけども、事故の様相によって、格納容器の中というのが3つのプラントの全く同じようなところという事はむしろ考えにくい事でございますので、中のマクロの様子としては似たような展開を取っているかも知れないけれども、ミクロな損傷というのは局所的な、局部的な違いというのは当然あるわけで、そう云った影響を受けている可能性は考えられると思っています。
ただし、そういった違いが何でったかを特定するのはくどいようでございますが、中を見てみないと分らないと云う風に思っています。
おしどりマコ
わかりました。丁寧にありがとうございます。
すいません、良ければお調べしてご解答して頂きたいのですが、12月15日?17日に福島県郡山市であったIAEAの閣僚会議(http://t.co/lLYSEXi8)におきまして、東京電力の方がパネルディスカッションされていて、社内事故報告書が英訳のものと日本語のものが、かなりの数置いてありまして、そのような資料の提出をどこから求められたのかという事と、それについての予算などはどれぐらい出ていたのか、というのを外務省なのか、IAEAなのか、もしくは東京電力が、なんといいますか、無償で、ボランティアで出しているのか、と云うのを教えて頂けたらと思います。
で、以前、電離検診で東京電力の平成24年春の血液検査の基準値外のものを細かく教えて頂きましたが、その前の年度の平成23年の春も同じ形で教えて頂けたらと思います。
どうぞ宜しくお願いいたします。
東京電力尾野氏
今の二つについては確認さしていただいた上でよろしいですか。
おしどりマコ
はい、宜しくお願いいたします。
ありがとうございます。