H4エリアのタンクの漏洩が
レベル1からレベル3に修正されました

(規制庁からのメール16:01)



東京電力株式会社福島第一原子力発電所における汚染水貯留タンクからの漏えいについてINES 評価(暫定)を見直しました

原子力規制委員会は、8月19日に発生した福島第一原子力発電所における汚染水貯留タンクからの漏えいについて、東京電力からの追加報告とIAEA へのINES 適用に関する確認結果を踏まえ、INES 評価(暫定)を見直しましたのでお知らせします。

1.IAEA への確認結果
 本件を含む福島第一原子力発電所において原子力事故の収束に向けて応急措置として作られた施設のINES 評価上の取り扱いに係る論点についてIAEA に照会したところ、次の回答が得られました(別紙1、別紙2参照)。
【IAEA からの回答のポイント】
・原子力事故の収束に向けて応急措置として作られた施設に対しても、INES は適用され得る。
・福島第一原子力発電所H4エリアタンクにて発生した汚染水漏えい事象を福島第一原子力発電所事故とは切り離して検討することも選択可能。

2.INES評価(暫定)の見直し
 原子力規制庁では、IAEA に確認の取れたINES 評価上の取り扱いに沿って、INESの適用と評価について見直しを行い、平成25年8月19日に実施した東京電力株式会社福島第一原子力発電所における汚染水貯留タンク(H4エリアタンク)からの漏えい事象のINES 評価(暫定)をINES レベル1からINES レベル3に修正しました。

(INES※による暫定評価)
基 準 1 基 準 2 基 準 3 評価レベル
 ?    3    3     3

※ INES評価
INES(International Nuclear and Radiological Event Scale:国際原子力・放射線事象評価尺度)とは、原子力発電所等のトラブルについて、それが安全上どの程度のものかを表す国際共通指標です。評価は3つの基準(基準1:人と環境、基準2:施設における放射線バリアと管理、基準3:深層防護)により行われ、最も高いレベルがそのトラブルの評価レベルとなる。評価レベルは、レベル0(安全上重要ではない事象)からレベル7(深刻な事故)まであります。

【参考:本件に関するINES 評価の考え方】
(1) 東京電力株式会社からの報告内容
・8月19日に発生した福島第一原子力発電所における汚染水貯留タンク(H4 エリアタンク)からの漏えいについて、H4 タンクエリアの堰内の溜まり水の分析結果は以下のとおり。
 セシウム134  4.6×10 の1 乗ベクレル毎立方センチメートル
 セシウム137  1.0×10 の2 乗ベクレル毎立方センチメートル
 全ベータ    8.0×10 の4 乗ベクレル毎立方センチメートル
・H4 タンクエリア内のタンクNo.5(H4-I-5)底部から水が広がっている状況を確認し、タンクNo.5(H4-I-5)の水位からタンク外に漏えいした汚染水の量は約300 立方メートルと推定。
・なお、当該タンク付近の海につながる排水溝において高い空間線量が確認されたものの、当該排水溝の海側出口付近を含む港湾の外の海での放射能濃度の有意な上昇は確認されていない。

(2) INES 評価
 東京電力株式会社から得られた(1)の追加報告を含めた本件事象に対してINES 評価基準を適用し、以下の評価を行いました。
  ? 本件の特定原子力施設から漏えいした放射能の量は、漏えいした汚染水の放射能濃度と量から数千テラベクレル程度(Mo-99 換算)であり、これは「施設における放射線バリアと管理」に関する基準でレベル3に相当する。
  ? また、当該施設において安全防護層が残されていなかったこと及び当該事象の最大の潜在的影響を考慮すると、「深層防護」に関する基準でレベル3に相当する。
  ? 「?」と「?」を評価した結果、INES レベル3に該当する。