(東京電力からのメール、23:50)
──────────────────────────────────── 東京電力からのご連絡 ────────────────────────────────────報道関係各位
本メールは、事前に「深夜・早朝における連絡先」の登録のお申し込みをいた
だいた方にお知らせしています。○1号機、2号機、3号機の原子炉注水量の低下(運転上の制限からの逸脱)につ
いてですが、その後の状況についてお知らせします。会見にて必要注水量を確保
した旨お知らせしましたが、その後注水量が安定せず低下したことから、午後9
時56分から午後10時30分にかけて、以下のように原子炉注水量の調整を行い,
必要流量を確保しております。・1号機:3.8m3/hから5.0m3/hに調整(必要注水量4.3m3/h)
・2号機:5.8m3/hから7.0m3/hに調整(必要注水量6.1m3/h)
・3号機:5.0m3/hから6.7m3/hに調整(必要注水量6.1m3/h)○午後10時における各号機の原子炉圧力容器下部の温度は以下の通りで、変化は見
られませんでした。また、他のプラントパラメータにも有意な変動は確認されて
おりません。・1号機:37.5℃(午後3時)37.5℃(午後4時)37.5℃(午後10時)
・2号機:54.9℃(午後3時)54.9℃(午後4時)54.8℃(午後10時)
・3号機:55.9℃(午後3時)55.9℃(午後4時)56.0℃(午後10時)○今後、常用高台炉注水ポンプ(A)(B)(C)のうち、現在稼働中の(B)(C)
による注水について、(A)(C)による注水へ切り換えを行い、注水量の変化に
ついて確認するとともに、停止した(B)についてはポンプ内への空気の混入の有無
について確認するため、エアベント操作を行う予定です。
【以下、お知らせ済】○本日(8月30日)午後3時の定例のデータ確認において、福島第一原子力発電所
1?3号機原子炉注水系において、以下のとおり注水量が低下していることを当
社社員が確認しました。・1号機:必要注水量4.3m3/hに対して注水量4.9m3/h(午後2時時点)から4.0m3/hに低下
・2号機:必要注水量6.1m3/hに対して注水量7.0m3/h(午後2時時点)から5.5m3/hに低下
・3号機:必要注水量6.1m3/hに対して注水量7.0m3/h(午後2時時点)から5.6m3/hに低下○このため、各号機について原子炉施設保安規定第138条*1に定める運転上の
制限*2である「原子炉の冷却に必要な注水量が確保されていること」を満足で
きないと当直長が判断しました。(判断日時)
・1号機:平成24年8月30日午後3時7分
・2号機:平成24年8月30日午後3時0分
・3号機:平成24年8月30日午後3時5分○なお、発電所内のモニタリングポストには有意な変動は確認されておりません。
○現場確認の上、午後3時48分より注水量の増加操作を開始し、以下のとおり、注
水量を調整し、午後4時30分時点では各号機とも必要注水量が確保されているこ
とを確認いたしました。(午後4時30分時点原子炉注水量)
・1号機:5.0m3/h
・2号機:7.0m3/h
・3号機:6.6m3/h○今後も引き続き、冷温停止状態の維持、プラントの安全確保に万全を期してまい
ります。○本メールには返信できませんのでご了承ください。
以 上
*1 原子炉施設保安規定
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第37条第1項の規定に
基づき、原子炉設置者による原子力発電所の安全運転及び安定状態の維持にあた
って遵守すべき基本的事項(運転管理・燃料管理・放射線管理・緊急時の処置・
「中期的安全確保の考え方」に基づく設備の管理など)を定めたもので、国の認
可をうけている。
*2 運転上の制限
原子炉施設保安規定では、原子炉の運転に関する多重の安全機能の確保及び原
子力発電所の安定状態の維持のために必要な動作可能機器等の台数や遵守すべき
温度・圧力などの制限が定められており、これを運転上の制限という。保安規定
に定められている機器等に不具合が生じ、一時的に運転上の制限を満足しない状
態が発生した場合は、要求される措置に基づき対応することになっている。