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「沖縄ノート」出版差し止め訴訟・・入れなかった!

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大阪に行ってきました。大阪地裁での大江健三郎さんの口頭弁論がみたかったからです。
この裁判は、「第2次大戦中に沖縄の慶良間諸島で住民が集団自決をした際に日本軍の強制があった」との虚偽の記述で名誉を傷つけられたとして、守備隊長だった元陸軍少佐らが大江さんと出版社を訴えているものです。出版差し止めと損害賠償が要求されています。

11月9日は、原告側(訴えている側ですね、元陸軍少佐ら)と大江さんの口頭弁論があったわけです。

朝、9時に大阪地裁に行くと、駐車場にはすでにたくさんの人。どんどん人は増えていきます。かたわらでは、「大江を裁判に引きずり出して・・云々」、拡声器を使ってのあっち側の人たちの演説が。並んでいる人たちは・・う〜ん、年齢層が高いぞ。ただ普通の日の午前中に、裁判傍聴にこられる人って、あまりいませんよね。仕方がないかなあ。

9時半すぎには傍聴抽選券が配られはじめました。
年端もいかない4つ、5つくらいの子どもにも傍聴券をもらって、頭数を稼いでいる人もいます。裁判の傍聴には年齢制限はないのか??
さらにまわりの人を観察すると、あれ?胸に青いリボンが。あれ?胸に日の丸のバッチが。青いリボンって??
「はい、これ沖縄ノートの抜粋ね、こんなひどいことが書いてあるんですよ。あんな難しい本、読めないでしょ」とおじさんがビラをくれました。
あの、私、読んできましたけど。

抽選を待つ間、傍聴希望者はロープで区切られたエリアから外に出ることは許されません。トイレなどで外に出たいときは、いったん傍聴抽選券を渡して、再度受け取らなくてはならないそうです。人はさらに増えていきます。
そうだ、マガジン9条のためにカメラ、カメラと・・・、と構える私に「カメラ、だめですよ〜〜」と裁判所の人に注意されました。

10時。まるで大学の合格発表のように、当選番号が書かれた紙がホワイトボードにはられて、数箇所に提示されます。あ、はずれた
傍聴希望者は700名ほどいたようです。傍聴席は60数席。倍率は10倍近いものですから、くじ運のない私はたぶんだめだとは思っていたんですけどねえ。わざわざ大阪まで行ったのになあ。記念にこの発表ボードを写真に撮って・・と「カメラ、だめだって」とまた怒られました。
だって、マガジン9条の水島さんが写真撮ってきて、って言ったから、と心の中で言い訳。

10時半、開廷。もちろん私は入れず。中ノ島を散歩して、道頓堀川を眺めて時間をつぶし、大江さんが入廷するのを向かえようと正面玄関で待つ。
マスコミ各社、カメラマンがたくさん。パシャ、パシャ、撮っているから
ここなら大丈夫かなあとカメラを出したら「撮影はだめです」と言われました。都合3回も注意された私です。

大江さんが到着。玄関前で待っていた人から拍手が巻き起こる。少し紅潮した顔で人をかきわけ裁判所に入っていく大江さんと、その拍手にちょっと感動しました。
来てよかったかも。

なお私の友人は傍聴券をゲットして、傍聴した。彼からきいたところでは、原告側の人たちももうかなりのお年で、本当に彼らがこんな裁判を起こしたかったのだろうかと思わせるものがあったそうです。裁判って見たことなかったし、大江さんの証言はナマで聞きたかったなあ。

最後に「沖縄ノート」読んでない方、読むことをお勧めします
大江さん独特の文章でちょっと入りこみづらいかもしれませんが、大江さんがどんなに真摯に沖縄を考えているか、示唆にとんでいます。また私がまったく知らなかった沖縄の人たち(活動をしていたり、詩人だったり)がいたことを初めて知りました。
教科書の記述問題がおきている今こそ、読んでほしいです。

それと、この裁判の行方も注目していきましょう。

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