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金にのまれぬ市長の決意

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「再編交付金」

いかにももっともらしい呼び名だが、要するに米軍再編を受け入れた自治体へのアメである。総額は今年度分だけで45億円を超える。もちろん、すべて血税だ。
先日発表された交付対象の自治体に、神奈川県座間市の名はなかった。市内にあるキャンプ座間に移転してくる米陸軍の新司令部(19日発足)に、反対を続けているからだ。

6期目となる座間市長は、保守系である。米軍再編が表面化する前に行われた前回3年前の市長選では、基地問題にほとんど触れなかった。「反基地」を訴えた共産推薦の対立候補に向き合おうとはしていなかった。

もともとキャンプ座間は「静かな基地」で、同市で基地問題と言えばむしろ隣の市にある厚木基地の騒音だったこともある。市長自身、基地との「信頼関係」を認め、基地の縮小・返還を市是としながらも、積極的に行動してきたわけではなかった。

だから、米軍再編が降ってわいた時、そんな市長のスタンスを知る地元の記者の間では「反対しているのは条件闘争のためのポーズでは」との懐疑的な見方も根強かった。

しかし、市長はこれまで反対を貫き続けている。「ミサイルが撃ち込まれても阻止する」と決意を語り、行動の先頭に立つ姿は「赤旗」にも取り上げられた。今回、たとえ交付金が受けられなくなろうともブレていないその姿勢には、改めて素直に敬意を表したい。

それにしても、安保や基地を容認していた市長をここまで怒らせる米軍再編とは何なのか。

政権寄りだった人たちから見てもなお、危険がいっぱいの話なのだ。少しばかりの交付金につられて、いのちを売ることはできない−−。そんな市長のメッセージが聞こえてくる。

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