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五輪閉幕

個人的には「なでしこジャパン4強!」に盛り上がった北京オリンピックでしたが、女子レスリングの伊調千春選手の銀メダル、女子背泳ぎの中村礼子選手の銅メダル、そして四百メートルリレーの塚原、末続、高平、朝原の4選手の銅メダル獲得後のインタビューに、目頭が熱くなりました。

アテネの銀メダルのときは「(金メダルではないので)うれしくないですね」と仏頂面だった伊調選手、今回は妹の馨選手とレスリングという競技への感謝の気持ちがとても素直に出ていたように思えました。

中村礼子選手には、以前より誠実な人柄を感じていました。むかし水泳をやっていた私の経験(専門は平泳ぎでした)からいうと、背泳ぎをやる選手には、他人に対する気配りや優しさのある人が多いような気がします。

そして、四百メートルリレーの選手たち(とくに末続選手)。銅メダルをとったうれしさよりも、これまで日本の陸上界を担ってきた先人たちの努力を讃える言葉が印象的でした。

心から語る感謝の言葉って、本当にいいなあと思います。

だからでしょうか、「申し訳ない」という野球の星野監督の言葉には違和感を覚えました。

謝られても困る。むしろ「惨敗して、悔しいです」と言ってほしかった。

ここで野球の日本代表のプレーについて、とやかく言うつもりはありませんが、日本で露出度、注目度、報酬のどれをとってもダントツのアスリートたちが、どうしてあんなに萎縮しているように見えたのだろう? そんな疑問がいまも拭えません。
 
ハングリー精神の有無なのか? 高校時代、インターハイで四国のハンマー投げチャンピオンになった同級生がいたのですが、同じグランドで練習する野球部の選手に「そんなもん(ハンマー)投げて危ない」みたいなこと言われて腹を立て、相手をどついたことがありました。

高校野球の全国大会は毎年春夏に全試合が放映され(しかも公共放送で)、汗と涙と感動が語られます。同じく日々、汗にまみれているハンマー投げの彼には「何で野球ばっか、優遇されんねん!」という不満がたまっていたのでしょう。

五輪前の星野監督と彼を取り巻くテレビのはしゃぎぶりは、正直、気持ちのいいものではありませんでした。国内でのマスコミ受けやパフォーマンスに長けた人は、国際舞台で結果を残すのは難しいのではないか。第1回WBC(ワールドベースボールクラシック)で優勝した日本の王監督が派手なことを好まない人なので、なおさらそんな思いを強くしたものです。

蛇足ですが、小泉純一郎氏も、内輪受けする首相でしたね。

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