うまれて初めて「ヒッチハイカー」を目撃した。
新宿へ向かう道すがら。吉野家の前の信号で
「静岡」と書かれたデカイ紙をもって佇む若い男子発見。「わ、ヒッチハイカーだ!」っていうんで、すかさず彼ににじり寄った。
どこから来たのか訪ねれば、なんと今のここが出発点だと云う。そんな人にそんなタイミングで声をかけることが出来たなんて…! ちょっぴり光栄に思った。
肩かけカバンひとつからすると旅行では無さそうだ。心持ち顔の気色がよろしくないが瞳がキラキラと輝いていて笑顔がさわやかな青年。本当は大阪まで行きたいのだけれど、とりあえずは静岡まで〜 とのことだった。何の用事だろう。
「あたしヒッチハイカーを見たの初めてです! もちろんヒッチハイカーはいらっしゃるんでしょうけどこの辺で見かけた事なんてありませんでした」とまくしたてる私に「都会はきっと少ないでしょうね」と彼。
数秒の沈黙の間、 〜都会でもそういう文化が定着すればきっともっと活気が湧いて面白いだろうなあ〜 と私は思っていたのだが、その時彼も同じ思いを巡らせていたに違いないと勝手に思わしていただいた。
信号が青に変わった。
「よい旅を!」なんていうキザな台詞を残し、さっそうと自転車をこいだ。〜ひよっとしたら彼はこの本を読んだのかも知れない〜 などと思いながら。
頭上を見上げれば高く澄み晴れ渡る青い空。
私の気持ちも丁度そんなカンジでありました。 etc...
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この本は、東京都杉並区高円寺の「素人の乱」5号店店主の著書。
〜貧乏人の逆襲として〜 タダでのびのび生きていこうではないか!! っていう素晴らしく痛快な呼びかけをベースに、その具体的な実践方法がギッシリつまった一冊。(筑摩書房より、1260円。)
読んでみたいけれどお金が××× というアナタ!! 友人知人とお金を出しあって購入、なんていうのはどうだろう。図書館にリクエストしたっていいと思う。そこまでしても読む価値のある一冊だと私は思う。
著者のリズミカルに流るる文章には祭りのリズムが刻まれている。抱腹絶倒! 2〜3行に1度、笑わされること請け合いだ。
笑う門には福来たる!! 落ち込んだ気分の際にはもちろん、 新しい年を迎えるにあたり「ゼヒ」読んでおきたいオススメの一冊。
希望の光がきっと見えてくるだろう。
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