独立行政法人日本原子力研究開発機構から放射性物質の管理区域外への漏えいについて報告を受けました?

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規制庁からのメールについて、
J?PARCと、規制庁に電話取材しました。

?施設周辺のモニタリングポスト(MP)の上昇について。

Q:ハドロン実験施設の事象がMPの上昇に寄与している、と考えているか?

A:ハドロン実験施設の排風装置を動かした時刻とMPの上昇の時刻は相関しているので
そう考えている。

Q:どの放射性物質がどれくらい放出されたか、推定の評価を出しているのか?

A:今、推定している。今日明日中には、発表できると思う。

?INESによる暫定評価について。

Q:基準3により、レベル1ということで、
レベル4の基準1「放射性物質の外部への軽微な放出」についてはどう評価しているのか

A:暫定の評価で基準3のみを評価したということ。
基準1、基準2についての評価はまだ。
今までIAEAから渡された情報によってい評価した。
これから渡される情報によって変わる。

Q:レベル3、レベル4の基準1は、放射性物質がどの程度外部に放出されるのか
(リリースはレベル5からしか放射性物質の定量評価がついていないので)

A:確か、明確に決まっていたように思う。今、手元に無いのでわからない。

→ということで、お調べして、教えて頂くことをお願いしています。


(原子力規制庁、原子力防災課事故対処室からのメール、14:18)

独立行政法人日本原子力研究開発機構から放射性物質の管理区域外への漏えいについて報告を受けました。

原子力規制委員会は、5月24日、独立行政法人日本原子力研究開発機構(以下、「JAEA」という。)から、大強度陽子加速器施設J?PARC(以下「J?PARC」という。)で放射性物質が管理区域外に漏えいしたとの報告を受けましたのでお知らせいたします。

1.JAEAからの報告内容
5月23日11時55分頃、J?PARC内のハドロン実験施設で金の標的に陽子ビームを照射し素粒子を発生させる実験をしていたところ、装置の誤作動により標的の金が高温になりその一部が蒸発し、その際、ビーム照射によって生成された放射性物質が同施設内及び管理区域外へ漏えいしました。

建屋内の汚染の程度は最大で約30ベクレル(1平方センチメートル当たり)。現在、建屋内を閉鎖し立入禁止としています。

原子力科学研究所周辺に設置のモニタリングポストの指示値は通常の変動範囲内であったが、南側に隣接する別の研究所(核燃料サイクル工学研究所)のモニタリングポスト等では通常70から130ナノグレイ(1時間当たり)で安定的に推移しているところ、23日夕方に10ナノグレイ(1時間当たり)程度の一時的な上昇が確認されました。

また、同施設で作業していた研究者等55名の汚染状況を確認したところ、現在までに30人に内部被ばくが認められ、外部被ばくと合わせた被ばく線量は最大1.7ミリシーベルトでした。

なお、現在施設は停止しており、放射性物質の追加放出もありません。

2.一般公衆等の安全性への影響
本事象は、管理区域外へ気体状の放射性物質が漏えいし、敷地の外において空間線量に一時的な増加が認められたものですが、通常値に比べてわずかな増加であり、一般公衆への影響はないと考えられます。

また、同施設で作業していた研究者等の被ばく量は放射線業務従事者の線量限度(※)を超えるものではありませんでした。

※1年間で50ミリシーベルト、5年間で100ミリシーベルト。女子は3ヶ月で5ミリシーベルト、妊娠している女子は1ミリシーベルト(妊娠と診断されたときから出産までの間)

3.原子力規制委員会の対応
原子力規制委員会では、24日夜、JAEAから、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則第39条に基づき報告を受けました。その後、現地原子力保安検査官や原子力規制庁が、施設の状況や被ばくの状況、JAEAの対応等の確認を行っています。

今後、漏えいの状況や被ばくの状況について引き続き把握するとともに、JAEAが行う被ばく評価、原因究明及び再発防止策について厳格に確認していきます。

INES※による暫定評価

基準1 基準2 基準3 評価レベル 
 ?   ?   1    1 

評価概要:
屋内で汚染を確認していながら、排気ファンを運転して放射性物質を屋外に排出しており、放射性物質に対する適切な管理ができておらず安全文化の欠如が見られることから、INESレベル1の「逸脱」と評価。

※INES評価
INES(International Nuclear and Radiological Event Scale:国際原子力・放射線事象評価尺度)とは、原子力発電所等のトラブルについて、それが安全上どの程度のものかを表す国際共通指標。評価は3つの基準(基準1:人と環境、基準2:施設における放射線バリアと管理、基準3:深層防護)により行われ、最も高いレベルがそのトラブルの評価レベルとなる。評価レベルは、レベル0(安全上重要ではない事象)からレベル7(深刻な事故)まである。



 


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