マガ9editor's room

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PTA会長日記

「今年は大変よー。創立〇〇周年の行事もあるし。キシさん、働いているんでしょ。まあ、キシさんが大丈夫なら、私もうれしいし、協力するけど、大変よー」

 PTA会長就任を内諾したものの、PTAの活動について何も知らなかった私は、これまでのPTA議事録や配布したプリントなどを読もうと思いました。いまのうちに準備をして、4月からの任務開始からすぐに仕事を始めたかったからです。

 以前、PTA会長候補者の名前が漏れたとき、その人物を好まないグループが別の人を担ぎ出すなど、水面下でいろいろな動きが始まってしまった。それを避けるため、周囲に知られないように事を進めることにした。だからPTA会長だけは立候補を認めず、役選委員会が他薦に基づいて決める――マツモトさんの説明を要約するとこうです。私自身、PTA会長が誰になるかについて、あまり関心がなかったので、裏でそんな動きが起こること自体、驚きでした。派閥の領袖が密室で首相を決めていたむかしの自民党みたいだなあと。

「会長と副会長はもう来ていますので、さ、キシさん、どうぞ、どうぞ」

 校内で待ち合わせをしたマツモトさんが私を促しました。

 現PTA会長・副会長との面談は小学校のランチルームで行われるそうです。ランチルームは、毎月、お誕生日を迎えた子供たちが特別給食を食べたり、保護者の授業参観日に休憩所や会議室として使われたりします。

 PTA会長への就任をお願いされたとダンナに言うと、それまでの人生で「○○長」という肩書とは無縁であったらしい彼は、

「よっ、会長!」

 と茶化し始めました。私がPTA会長になると、彼にかかる家事の負担が増えるということを想定していないようです。