「今年は大変よー。創立〇〇周年の行事もあるし。キシさん、働いているんでしょ。まあ、キシさんが大丈夫なら、私もうれしいし、協力するけど、大変よー」
次期PTA会長の名前がPTA便りを通して保護者に伝えられると、何人かのお母さんたちから、こんなことを言われました。ちょっと意味深な感じで、しかも皆、どこかトーンが似ている。また「(PTA会長は)お父さんの方がいいって言う人もいるのよ」と親切に進言してくれる人もいたので、
これって、もしかしたら他に(PTA会長を)やりたい人がいるのではないか? と思いました。そこで役員選出委員会のマツモトさんに、
「他にやりたい方がいらっしゃるのであれば、喜んで譲りたい」と伝えると、マツモトさんからは、
「そんな話は、ぜんぜん聞いていません」の一言。早速、前総務役員からの引継ぎが行われました。
庶務や会計は毎年やることがある程度決まっています。予算に関しては、予算委員会が開かれて、昨年の収支表をベースに、多少の変更についての確認が行われました。
ところが会長職に限っては、具体的なことがない。フジモリ前PTA会長からは、
「会長は外の会議に出ることが多いから、(PTA副会長以下)他の役員とは仕事の内容がぜんぜん違うんです。だから、みんな(PTA会長の仕事が)わからない。外で受けてきた仕事を持ち帰ると、『そんなことはいままでやったことがない』って却下されてしまうし」
ほとんど愚痴でした。
たしかにPTA会長は外に出る機会が多いようで、総務役員のほかに「会長代理副会長」という役職があります。これはPTA会長が仕事などでどうしても出席できない会議に、代わりに出る。それだけのポスト。それに2人つけるのですから、会議がよほど多いのでしょう。前会長のフジモリさんは、
「本当は私専用の書記をつけてほしかった」とぼやいていました。
結局、会長の事務的な引継ぎはなく、
「具体的なことは、後で文書で渡します。だけど、私のメモは参考程度。自分で考えてやった方がいいですよ」
こんなのでスタートして大丈夫なのだろうか? 私はちょっと不安になりました。実はその数日前、あるPTA会長経験者の話として、
「やることが多すぎで、最後は血尿が出た」というエピソードを聞いたのです。血尿が出るほどのボランティア活動って、いったい......。
でも時間は待ってくれません。4月の入学式のために、新一年生の保護者向けの規約作り、渡さなければならない書類の準備とチェック、お祝い品(毎年ノートを贈っています)の「のし」かけ、当日の受付など、やらなければならないことが次から次へと出てきました。
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