山本さんは1967年山梨県都留市生まれ。新聞記者の父親を持ち、たくさんの本や新聞に囲まれて育ちました。都留文科大学卒業後、CS放送の朝日ニュースターに入社し、記者、ディレクター、ビデオジャーナリストとして活動。その後フリーランスを経て、独立系通信社・ジャパンプレスで、日本人女性記者として初めてタリバン支配下のアフガニスタンを取材しました。

ビデオカメラ片手に撮影から編集までするビデオジャーナリストとして、2003年のイラク戦争の際には戦火のバグダッドからレポートを送り続け、同年度のボーン・上田記念国際記者賞の特別賞を受賞しています。こうして戦地を取材する傍ら、日本テレビ「きょうの出来事」のフィールドキャスターを務め、世界の紛争地帯の最前線で何が起きているかを伝え続けました。

4発の銃撃を受けて終わる、山本さん自身が撮影していた映像は衝撃的です。今年、危険な状況下の取材で報道の自由に大きく貢献をした記者に贈られる、国際新聞編集者協会の世界報道自由ヒーロー賞を受賞しましたが、もう彼女は還ってきません。常に弱い者の側に立ち、戦地で苦しむ女性や子どもたちの声を世界に届けることが彼女のライフワークでした。