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日めくり編集メモ 488

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長新太さんの絵を一目見たら、誰もが「ああ、知ってる」と頷くのではないでしょうか。その長さんの展覧会『ずっと長さんとともに―長新太が描いた子どもの本―』が、東京・練馬区の「ちひろ美術館・東京」で開かれています。(10月27日まで)

長さんは1927年東京生まれ。1948年、東京日日新聞(当時発行されていた毎日新聞系の夕刊紙)社の漫画コンクールで一等で入選。これを機に同社に入社し、漫画家としてデビューします。「長新太」というペンネームは同社の記者によって名付けられたものでした。入選作品『ロングスカート』のロングで「長」、新人なので「新」、図太く行けとの願いを込めて「太」。1955年に退社し、本格的な作家活動に入りました。

1958年、堀内誠一の勧めで、絵本雑誌「こどものとも」3月号の『がんばれ さるのさらんくん』で絵本作家としてデビュー。その翌年に同誌2月号として発表された『おしゃべりなたまごやき』で第5回文藝春秋漫画賞を受賞し、世間にその名を知られるようになります。1981年『キャベツくん』で絵本にっぽん大賞、2005年『ないた』で日本絵本大賞をはじめ受賞多数。40年以上にわたり数多くの絵本に筆を振るいました。

この展覧会では長さんが描いた子どもの本の中から、今江祥智、灰谷健次郎ら11人の作家と、彼自身が物語や言葉を手がけた選りすぐりの作品の原画約100点を展示するとのことです。 「長さん以前と長さん以後では絵本の世界は一変したと言っていいと思います」という人もいるほど、柔軟で斬新な発想の絵本を発表し続けた長さんの世界を楽しんでみませんか(「ちひろ・絵本づくりの現場」も同時展示されています)。

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