先日、「改定常用漢字表」が文化審議会から文部科学大臣に答申されました。1946年の当用漢字表、1981年の常用漢字表に続く、時代に合わせた見直しなのですが、詳しく見ていくといろいろ問題もあるようです。
今回の改定で特徴的なのは、「読む」「書く」のほかに「打つ」ことを前提に、「鬱」「彙」などの画数が多いものや、難しい漢字が多く採用されていることです。いまや「うつ」「い」と入力して変換させれば簡単にその字が表示されるのですから、これも時代に合わせたものなのでしょう。
また、「溺」のつくりの「弱」のチョンチョンが下にはらう形であるように、表外漢字字体表の印刷標準字体と人名用漢字字体を通用字体とする原則があるのですが、「曽」「痩」「麺」は簡易慣用字体が採用されました。理由は「生活漢字としての側面を重視」したからだそうですが、原則よりも多く使われたもの勝ちという決め方はいかがなものかと思えてなりません。