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日めくり編集メモ 025

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大阪からの深夜放送といえば、「MBSヤングタウン」「ABCヤングリクエスト」が思い出されます。この2番組は「動のヤンタン、静のヤンリク」と言われ、関西の若者文化を席捲しました。

深夜放送といえば、東京発のTBS「パック・イン・ミュージック」、文化放送「セイ!ヤング」、ニッポン放送「オールナイト・ニッポン」の3番組が絶大な人気を誇りました。東京以外でもいろいろ番組はありましたが、夜になると電離層の反射によって遠方の放送でも聴取可能になるので、その地域ならではの放送を楽しめました。中でも在阪局は出力が比較的大きかったので、関西以外の聴取者も多くいたようです。

 

朝日放送ラジオの「ABCヤングリクエスト」は1966年4月からの開始。それまでとは違い、ジャンルを超えてリクエストされた曲なら何でも放送する目新しさが受け、瞬く間に若者の支持を集めました。音楽とリスナーを重視し、局アナが抑制的におしゃべりをするスタイルは、番組終了まで貫かれました。「仁鶴頭のマッサージ」などのコーナーも人気でした。

 

一方、毎日放送ラジオの「MBSヤングタウン」(当初「歌え!MBSヤングタウン」)は1967年10月から。こちらは対照的にタレントを多用し、局アナも己の個性を前面に出してのスタイルでした。パーソナリティはお笑いタレントのほか、谷村新司やチャゲ&飛鳥、根本要などミュージシャンが務めました。またバンドの登竜門としての役割も忘れることは出来ません。

 

ヤンリクは1986年、ヤンタンは1999年にそれぞれ終了しました(ヤンタンは名前を残して、土日に放送されています)。しかし、若者に多大な影響を与え、また数々のスターや人気者を輩出した大阪発の深夜放送は、今でも伝説的に語り継がれています。

(参考資料:『朝日放送の50年』朝日放送、『毎日放送50年史』毎日放送、渡邊一雄『ヤンタンの時代。』角川書店)

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