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写真家「石内都さんに聞いた」

 昨年、写真家の石内都さんに、2007年に広島において撮影された「被爆者の遺品」

について、お話をお伺いした。

石内都さんに聞いた(その1)「ワンピースの記憶」

石内都さんに聞いた(その2)「ひろしま」と「ヨコスカ」を結ぶもの。横たわる「違和感」

 


 改めて読んでみる。 作品写真からは「コムデギャルソンみたいな私好みのこのワンピースを着ていたのは、もしかしたら私だったかもしれない」そう思わずにはいられない。よく晴れた夏の朝、私はさっぱりと洗濯されたワンピースを身につけて、職場に急いでいた。今日も一日、暑くなるなと思いながら・・・。

あなたはどう感じただろうか?

石内さんのインタビューより:

(最初と最後に撮影した)この二つ(の洋服)はあまりにも早く、最初期に収蔵されたものだったので、データがない。誰の持ち物だったのかわからないんだと言われて。それを聞いたとき、もう、胸がきゅーんと痛くなってね。「ああ、君たちそうだったんだ」と思って。だから、私のものでもおかしくないの。私がその時、そこにいたら、着ていたかもしれないワンピース。そう思ったらものすごく身近になって、まったく人ごとではなくなったんですよ。

  みんな広島っていうと、モノクロのイメージなんですよね。まさか、広島の人が、こんなにカラフルでお洒落なワンピースを身につけていたなんて、って思うでしょ。でも、それは当たり前のことで、年頃の女の子は、みんなおしゃれしたいし、かわいいもの着たいし、という気持ちは、広島だろうが、東京だろうが、長崎だろうが、それは同じこと。なのに、広島、長崎の人たちは、おしゃれしてちゃいけないみたいな、すごく差別されていたような気がする。

 

★8月9日までですが、沖縄の佐喜眞美術館で「ひろしまin OKINAWA 石内都展」が開催中です。


 

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