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アブナイ芸人 その1 「ウド鈴木」は絶対にテレビに出られない......と思った

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  最近はあまり行ってませんが、15~20年前は、よくお笑いのライブに行ったものです。舞台には、まだテレビに出ていない若手の芸人がたくさん出ていました。

 キャイ~ンを初めて見たのもライブでした。確か下北沢タウンホールで、バカルディ(現さまぁ~ず)やホンジャマカなど、売れ出し始めた若手に混じってキャイ~ンも出ていたように思います。

 キャイ~ンは、出演者の中でも一番無名の存在でしたし、漫才の内容はすっかり忘れてしまいましたが、ウド鈴木の印象は強烈でした。

 

一言で言えば「アブナイ」ということです。

 

 今でも、つたない喋りというか、まあ、アブナイ感じはあります。でも、あのときのウドの喋りは、今の比なんてものではなく、なんか、見てはいけないものを目にしている、というか...。

 

 一緒にライブに行った同僚の編集者と帰りに飲んだとき、意見は一致しました。

 

「あのコンビは面白いけど、絶対にテレビに出られない」

 

 それほど、ウドの喋りはアブナイ感じがしたのでした。

 

 ところが、ご承知のように、その後、キャイ~ンはテレビを中心に人気者となりました。ウド鈴木に対しても世間が「慣れて」いったのか、今ではバラエティ番組でいい味を出しています。

 

ある番組で、ウドが出身地の方言「山形弁」で話していました。するとどうでしょう。いわゆる標準語(東京弁)で話しているときのウドと違い、話の内容が理路整然としているんです。そして、あのアブナさが全くない。

そのときに分かりました。ウドの「アブナイ喋り」は、山形弁でなく、無理して東京弁で話そうとした結果の、つたなさが原因だということを。

 

見事、私の当時の予想は裏切られ、その後、ウド鈴木はテレビで活躍していますが、その一方で、予想どおりテレビには出られないアブナイ芸人もいました。

あの鳥肌実です。(続く)

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