マガ9editor's room

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「岡村隆史」さんの記事で大失敗!

 用もないのに「取材」と称して銀座七丁目劇場にしょっちゅう出入りしていた私ですが、もちろんたまには夕刊紙の記者として、劇場でちゃんと取材をしたこともあります。

 あれは、劇場の「こけらおとし」の日でした。私はその模様を翌日の紙面の記事として書くため、メモとペンを手に、劇場の中にいました。観客のほぼ全てが女子高校生のようで、私は彼女たちに「誰のファンなの?」「どんなネタが好きなの?」など、まあ、ほんとに当たり障りのないようなことを聞いていました。

 

 そして、舞台が始まり、天然素材のメンバーが各自のネタや大喜利などで盛り上げ、その日は無事に終了。劇場の基本情報と女子高生のコメントだけでも記事は書けたのですが、そこはやはり芸人さんのコメント、なかでも一番人気のあるナインティナインのコメントが欲しかったわけです。

もうダメ元で、知り合いの劇場スタッフに頼んでみたところ、何とOKの返事。しかも、岡村さんが取材に応えてくれるという。

 

 あまりの予想外の展開に少し戸惑いながらも、私は楽屋で出番を終えたばかりの岡村さんに話を聞いた。時間がほとんどなかったことから、なんか「意気込みは?」みたいな、本当にベタな質問をして、それに対して岡村さんも「劇場を盛り上げていきたいと思います」というマジメな答えだったように記憶している。

 

 夕方、私は編集部に戻り、岡村さんのコメントがとれたことをデスクに報告すると、「お、やったな。じゃあ、(記事を)いい位置にもっていくか」と、目立つところに掲載してくれると言ってくれました。

 

本当に短い記事でしたが、その日の舞台を思い起こしながら原稿を書き、デスクのチェックを受けて、その日私は編集部をあとにしました。

 

 翌日朝、出来上がったばかりの新聞を手にし、真っ先に自分の書いた記事を確認。劇場の写真と共にそこには私の書いた記事が載っている。新米記者だったこともあり、昨日書いたばかりの記事をこうして改めて読んでみるのは、少し気持ちのいいものでした。

 

と、そのとき見出しが目に飛び込んできました。

ん? なんで? えー! どうしてー!?

 

そこには「ナインティナイン岡本 大いに語る」の文字が。

 

岡本!? 岡本って......。

 

おいおい、よりによって名前を間違えるとは!

見出しはデスクがつけたもので、原稿のOKをもらった時点で帰った私は、見出しまでは確認をしていなかったのでした。

 

私はデスクに間違いを報告しに行くと、「ありゃ、間違ったかあ。ま、仕方ないよ、もう出てしまったものは。どうせ一日経てば(夕刊紙なんて)ゴミなんだから。はははは」と豪快に笑っていたのでした。

 

そのデスクは、ともすればギスギスして怒号が飛び交うような夕刊紙の編集部で、いつも若手の面倒をよく見て、冗談ばかり言ってる人、でも仕事はきちんとやる、という、ありていに言えば「とてもいい人」だったので、「間違いは誰にでもあるのだから」と、私も何だか怒る気になれませんでした。

 

ただ、せっかく取材に応えてくれた岡村さんに申し訳なく、その日のうちに劇場に謝りに行きました。確か、岡村さんではなく、マネージャーに謝り、「大丈夫ですよ。また書いてください」と寛大な対応をしていただいたように記憶しています。

 

 ちなみにそのときのデスク氏とは、その後十数年の空白期間を経て、別々の会社ながらも現在も一緒に仕事をしているというフシギな縁。飲んだときなどに、あの見出しの件を言うと、「そんなことあった? わりい、わりい」と笑ってごまかしています。

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