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私の結婚式に来てくれた芸人「S」さん

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 さてさて、このお笑いブログ。「マガジン9」が夏休みで更新のない2週間という前提で、毎日更新してきました。明日からは、通常どおり、マガジン9は毎週水曜の更新になりますので、まあ、そんなにこのブログを読んでる人はいなかったでしょうが、ひとまずこのブログは今回でお休みです。

ということで、最後は、私のごくごく私的な話で失礼いたします。

 

 私が結婚したのは、1994年7月、27歳のときでした。

その年の4月には細川首相の辞任や社会党の連立政権からの離脱などがあり、結婚式の2日前には自社さ政権が誕生して村山富市氏が首相になるなど、日本の政界はまさに激動期でしたが、私自身も結婚式を迎えるまでの数週間は、それまでの人生の中で最も激動の日々でした。

 

 何しろ、結婚式の招待状を出した翌日に、会社が倒産してしまったのですからねえ

 

前々から「危ない」と言われていたものの、まさかこのタイミングでの倒産とは! でも、すでに結婚式まで約1ヵ月しかないこともあり、「もうこうなったらやるしかないでしょ」と強行突破することにしました。

 

 私の身を心配してくれた人たちの協力によって、何とか式の2週間前に次の職にめぐり合えたため、結婚式で「新郎はただいま無職で」なんて無残な紹介や、「新郎はフリーライターとして活躍しており」なんていう、しらじらしい紹介も免れることができました。

 

通常、結婚式では「切れる」「別れる」などの言葉は禁句ですが、私たちの式では「倒産」「廃刊」「持ち逃げ」など物騒な言葉がバンバン飛び交っていました(笑)。まあ、それはそれで楽しいわけですが、さらに盛り上げてくれたのが、ある芸人さんです。

 

 吉本興業の社員と知り合いだったこともあり、お笑いマニアの私は、自分の結婚式には絶対に芸人さんに来てもらおうと思っていました。誰か若手の芸人さんを余興に呼べないかと、吉本の社員に相談し、来てもらったのがSさんでした。

 

 当時、4人組漫才カルテットの一員で、大阪ではそこそこ知られた存在のSさんでしたが、正直言って東京では無名。

 

 でも、そこは、やはりプロでした。

 

「本日は、西川きよし、桂三枝、ダウンタウンの都合が悪かったため、吉本興業の4番手として、私に白羽の矢がたちました」

「私は吉本の秘密兵器と言われています。まあ一生秘密のまま終わるかもしれませんが」

 などなど、老若男女が集う結婚式だからこそ、ある意味ベタなネタを用意して、たくさんの笑いをとり、結婚式を大いに盛り上げてくれました。

 

 その後Sさんは、予言どおり(?)芸人としては秘密兵器のままでしたが、現在は会社経営をしているという噂を聞きました。

 

会社倒産直後の結婚式が暗くならずに済んだのも、Sさんのおかげだったと、今でも私は感謝しています。

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