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「刑場取材 フリー・海外メディア排除」の記事から

 本日の朝日新聞朝刊、社会面に「刑場取材 記者を限定 法務省、フリー・海外メディア排除」の記事が載っている。フリーライターの畠山理仁さん@hatakezo が、ツイッターで憤っていたその理由についても、簡単に書かれている。

 要は、法務省は、以前から刑場取材についての問い合わせをしていた、フリーランスや海外メディアには、当日の午前10時56分に「夕方説明会をします」というメールを流しておいて、実はその時間にはすでに、法曹記者クラブのメンバーに向けて、すでに刑場取材をすませていたというもの。

 法務省が、連日問い合わせを続けた畠山さんに「まだ決まっていません」とウソをつき続けてまで、排除したのはなぜなのか? これは、海外メディアからも相当奇異なこととして、批判記事が世界に向かって打電されたようだ。普通理解できないだろう。

 

 今回の「刑場公開」を、「情報公開の第一歩」として評価する声もあるが、「しょせん法務省にとって都合のいい(死刑制度をゆるぎないものにするための)限定的な刑場公開」(保坂展人)にも見えかねない。畠山さんは、今日の夕方にもこのテーマでラジオ主演するそうだから、彼のツイッターは要チェックだ。そして、近々に『マガジン9』の連載コラムでも、書いてもらうことになっている。

 

 私は、このふいうちの刑場公開があった翌日、28日にフォーラム90が主催する「死刑を考える集い」の講演会に行ってきた。死刑制度廃止をすすめる団体が主催するイベントに参加したのは、今回が初めてだったのだが、この日、森達也さんが講演するというので、是非とも森さんの話を聞きたくて、会場へ行った。

 

 森さんがノルウェーで出会った著名な犯罪学者ニルス・クリスティやノルウェーの法務省高官が語った言葉が印象的だった。

 

「犯罪者には、3つの共通点がある。一つは子どもの時に受けるべき愛情の欠如。二つは成長期における教育の欠如、そして現在の貧困。生まれてきてからこれまで、すでに相当な苦しみを受け続けてきた人たちに、さらに苦しみを与えるようなこと(刑罰)をなぜするのか。足りないところを補ってあげるものでないのか」と。

 

 犯罪者は、モンスターではない。私たちと同じ人間なのだ。しかし、不幸にもかれらは生い立ちや恵まれない環境など、苦しみを受けてきた人。だから「罰」を与えるのではなく、人間として足りなかったものを、補ってあげることが、必要なのだ。という考えにもとづいているノルウェーは、死刑も無期懲役もない。

 

 そんなノルウェーは、特別な国で特別な人間によって運営されている国家だろうか? ノルウェー人も私たち日本人も、人間である。その一点だけでも、私には希望の持てる話だった。

 

 

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