今回の民主党代表選で唯一良かったことがあると思っている。それは、いろんな思想信条や政策を推進する議員たちが、ごじゃごじゃに入り乱れていた民主党において、大きな二つのグループに分かれたことで、誰がどんな考えを持ち、政策を支持しているのか、がわかった。反小沢、小沢支持、という言い方で括られ、単なる権力闘争、という見方もあるが、(そういう議員もいるのかもしれないが)、二人の演説をじっくりと聞くことができたお陰で、そこには、まったく相反する政策と思想信条がみてとれた。だからそれを聞いて判断し投票した議員たちも同じだろう。すなわち小沢さん、菅さんのどちらを支持したかによって、この議員は「将来日本をどういう国にしたいのか」を知ることができたのだ。これは今後、私たちが投票する時にも役立つ。
森永卓郎さんが、日経BPで次のようなコラムを連載しているが、私はこの見立てに賛成だ。その中の一部を抜粋しておく。
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(途中略)
すなわち、菅政権は小泉政権同様に、経済政策では「財政再建(緊縮財政)・金融引き締め・構造改革」路線であり、外交・安全保障政策では「日米同盟最優先(あるいは対米追従)」路線である。これに対して、橋本氏と小沢氏が属していた旧田中・竹下派の伝統的な思想は、経済政策では「財政拡張(積極財政)・金融緩和・平等主義(分配主義)」路線であり、外交・安保政策では「アジア重視(あるいは対米対等)」路線である。(途中略)
いずれにせよ、今回の民主党代表選を通じて、菅首相と小沢氏の思想・政策の違い、換言すれば、民主党内の相反する思想・政策の違いが鮮明になるのは歓迎すべきことなのだ。 一部には「民主党内の路線の違いが明確になり、両陣営が激突すれば、党が割れる可能性もある」といった声もある。しかし私は、民主党は党分裂を回避すべきでない、と考えている。むしろ、昨今の円高への対応をはじめ、これまでの民主党政権の経済政策を見ると、民主党の分裂こそが日本の国益にかなうのではないか、とさえ思い始めている。政権党である民主党が党内に相反する2つの路線(思想・政策)を抱えていれば、政府が打ち出す政策もどっちつかずの中途半端なものにならざるを得ないからだ。
もう、そろそろ決着をつけるべき時なのだ。さもなければ、日本経済は沈む一方になる。
「日経BP SAFETY JAPAN 厳しい時代に「生き残る」には」より抜粋
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もちろんこれは、モリタク流に分かりやすく単純化して説明している部分もあるだろう。反論のある読者もいるだろう。憲法改正については、どうなんだ?小沢は改憲論者ではないのか? とか。そんな森永さんにこのタイミングで直にお話を聞けるチャンスがある。テレビで言えない話もたくさん喋ってもらう予定(だから今回収録はなし!)是非、参加して「目からウロコ」を落として欲しい。(水島さつき)
■■ 第3回「マガ9学校」参加者募集■■
10/21(木)19:00?21:00(開場18:30)
講師:森永卓郎氏 (獨協大学教授 経済アナリスト)
テーマ)
菅首相続投! で日本はどうなる?
テレビでは言えない「お金と政治とニッポンの話」
参加費:2000円 (先着150名)
会場:カタログハウス本社地下2階セミナーホール
● 参加申し込みは、こちらのフォームから