きょう10月17日は「沖縄そばの日」です。沖縄そばの生産者団体である沖縄生麺協同組合が1997年に決めました。なぜこの日なのかというと、「そば」とは何かという定義の問題に突き当たります。
その歴史は古く、500年ほど前に中国から麺類が伝えられ、これが琉球宮廷料理に取り入れられました。王侯貴族の食べ物だったそばは、次第に一般の口にも入るようになりました。1924年、ゆたか屋がそれまでの黒っぽいスープを白いものにし、現在のスープの原型ができたと言われています。爆発的に広まったのは戦後、米占領軍の物資である小麦粉が出回るようになってから。今では日に20万食近くの沖縄そばが消費されています。
沖縄の人々に親しまれてきた沖縄そばは、本土復帰後の1976年、公正取引委員会から「そば」と呼ぶことを禁止されます。なぜなら「『そば』の名称を使うにはそば粉が30%以上入っていなくてはならない」からとのこと。沖縄そばは小麦粉100%です。しかし沖縄では戦前から「そば(ウチナーグチではすば)」といえば沖縄そばのこと。粘り強い交渉の結果、1978年10月17日呼称認定を受け、晴れて「沖縄そば」と使えるようになりました。「沖縄そばの日」はここから来ているのです。
麺の上に三枚肉と紅ショウガとかまぼこが載っているのが普通の沖縄そばですが、上の肉をソーキ(あばら肉)にしたソーキそばは有名です。また載せるものを替えたり、麺にゴーヤーやモズクを練りこんだり、最近では焼きそばや冷やしそばも。また土地の名を冠した宮古そば、八重山そばや大東そば、さらに麺自体も太、細、平とあり、スープもこってりからあっさりまで。「沖縄県民のソウルフード」沖縄そば、まさに百花繚乱です。
(参考文献:沖縄生麺協同組合ホームページ、沖縄そば博ホームページ、サン食品ホームページ)