NHK大河ドラマ「龍馬伝」の人気もあってか、
菊人形の歴史は江戸時代からで、文化年間(1804-18)前期に江戸・麻布狸穴の植木屋が手掛けたのが始まりと言われています。巣鴨染井の職人が飛びつき、菊細工を見せる家が50軒余も出現しました。流行はいったん収まりますが、1844年、巣鴨の寺に展示された「日蓮法難」などの菊細工の飾り物が評判を呼んで、白山、駒込、団子坂など江戸のあちこちに進出しました。
明治維新後も菊人形人気は続きましたが、1910年に両国国技館で電気応用の菊人形大会が催されてからは、伝統的菊人形は、長く続いた団子坂でも1911年に終了してしまいます。復活するのは遊園地での菊人形展示の催しによってでしたが、それも時代の流れとともに人気が薄れ、休止する遊園地が続出しました。菊付けをする菊師、人形菊の栽培者など制作に関わる人々の高齢化も進んだことも一因です。
(参考資料:京阪電気鉄道ホームページ、ひらかたパークホームページ、ひらかた市民菊人形の会ホームページ、『日本大百科全書』小学館)