先日、「ペコちゃんミニミニミュージアム」という菓子を見つけました。いわゆる食玩で、ミニハートチョコレートが2枚と店頭にあるペコちゃん首振り人形のミニチュアが入っています。全部で12種類あり、たいへん可愛らしく出来ていました。これは不二家創業100周年、ペコちゃん誕生60周年を記念したものです。
不二家は1910年、当時25歳の藤井林右衛門が横浜・元町に洋菓子店を開いたのが始まりです。日本で初めてショートケーキを販売したことでも知られています。ペコちゃんの登場は1950年。翌年発売のミルキーの箱に描かれ、一躍不二家の「顔」になりました。ほかにもフランスキャラメル、ルックチョコレート、カントリーマアムなどヒット商品は数多くあります。
順風満帆に見えた不二家が存亡の危機に立たされたのは3年前です。賞味期限切れ原材料を使って菓子類を作ったことが露見し、社長は辞任。対策会議を設置して信頼回復に努めました。しかし報道の中には明らかな誤解や悪意を持ったものもあり、そのバッシングによって不二家はさらに窮状に陥り、各地のフランチャイズ店舗が次々と廃業に追い込まれたのです。
山崎製パンの子会社となった不二家はその後、CSR(企業の社会的責任)を重視し、品質や環境にも気を配っているようです。1人もリストラをせず、今年3月期連結決算では5期ぶりの黒字となりました。創業100周年記念には、ペコちゃんの歌の作成、おしゃべりペコちゃん人形の設置などイベントがありますが、銀座6丁目の不二家銀座ビルではペコちゃんミュージアムが21日まで開催され、多くの人を集めています。ペコちゃんも、立ち直った不二家に感慨無量のことでしょう。
(参考資料:不二家創業100周年記念サイト)