残念ながらJ2落ちが決まってしまった京都サンガですが、その胸には大きく「京セラ」とあります。京都に本社を置く京セラは、略称が正式社名になった会社のひとつです。
長い社名は分かりづらいので、略称がよく用いられます。古くは紡績会社がそうでした。「紡績」を略した東洋紡、ニチボー(現ユニチカ)などのほか、東洋レーヨンは東レが正式社名になりました。カネボウは鐘淵紡績の略がそのまま社名になっていますが、紡績会社だったことを思い起こす人の方が少ないかもしれません。
東芝は東京芝浦電気の略称。東リもかつて東洋リノリユームでした。「東」で始まるものはほかにもあり、東ソーは東洋曹達工業、東セロ(現三井化学東セロ)は東京セロファン紙という社名でした。先に出た京セラは、京都セラミツクとして発足しています。「トー」「キョー」と長音がよいのでしょうか、いずれも略称が正式社名になったものです。
正式にはなりませんが、地元で略称が愛称のようになっているものもあります。大阪・道修町や十三で「武長(たけちょう)」といえば武田薬品工業のこと。もとが「武田長兵衛商店」だったことからです。また、茨城で「日製(にっせい)」といえば日立製作所。ほかの地域ではあまり通じず、日本生命と間違えられることもしばしばあるようです。
(参考資料:各社ホームページ)