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辺野古へ行ってきました。

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 ぼーっと余韻に浸っていたら、あっという間に1週間近くが経ってしまったのですが、先週末、沖縄・名護市辺野古の浜で開催された「ピース・ミュージック・フェスタ! 2010辺野古」に行ってきました。

 開催の数日前から、沖縄には台風14号が接

近。一時は「1日目はもう中止かも」という話も出ていたらしいけれど、結果的にはぎりぎりのタイミングで台風一過。青空が覗き、ときには暑いくらいの日差しが差す、絶好のフェス日和になりました。

 潮風に吹かれながら、時折青い空を、そして星空を見上げつつ、ビール片手に音楽に酔う、とびっきりの贅沢な時間。三線とギターの音色、島太鼓とドラムのリズム、カチャーシーとサルサのステップが、何の違和感もなく重なり合い、溶け合う。ステージの前で踊る人たち、少し離れた場所に腰を下ろして音楽に聞き入る人たち、周囲の屋台でスナックを買い込んで頬張る人たち、波打ち際で砂遊びに夢中の子どもたち...それぞれが、それぞれにゆったりと流れる時間を楽しんでいる、そんな光景を眺めているだけで、なんとも幸せな気分になりました。

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 印象的だったのは、観客の中に米兵らしき姿を見かけたこと。登場したミュージシャンの中には、普段から米兵相手にクラブなどで演奏しているグループもいる、とのことだったので、彼らのステージを見に来ていたのでしょうか。実行委員である知花竜海さんの「価値観の違いを乗り越えて、一緒に踊れる場にしたい」という言葉を思い出しました。

 彼らだけではなく、この日の出演者もスタッフも、それから観客もみんな、出身地やバックグラウンド、そして多分好きな音楽も「基地」や「平和」に関する考え方も、当たり前だけれどさまざまに違ったでしょう。だからこそ、その「違う」人たちが、ともかくは「ピース・ミュージック」の言葉のもとに集い、時間と空間を共有したことに大きな意味がある。

 「辺野古で、たくさんいい思い出を作ってください。そしてまたこの浜に帰ってきてください。うちなーんちゅも県外の人も、みんなで一緒になって知恵を出し合えば、きっといい解決法が見つかるはず」。これは、ステージでの知花さんの台詞。シンプルで単純だけど、多分そこからしか何も始まらないんじゃないか、と思います。

 

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 ちなみに、よく知られているとおり、辺野古の浜には米軍基地であるキャンプ・シュワブとの境界を示す有刺鉄線が張られ、そこに色とりどりの「平和のリボン」が結びつけられています(上の写真)。初めて見たその「境界」は、頭の中で思い描いていたよりずっと小さかったけれど、向こう側にある「米国海兵隊施設/許可なく立ち入った者は日本国の法令により処罰される」の看板に、改めてそこが「基地の中」であることを実感させられました(在沖縄海兵隊は、この有刺鉄線をより強固な、高さ2メートルの壁に立て替えようとしている、とも伝えられています)。

 それでもこの2日間、辺野古の浜に響いた音楽は、「境界」を越えてその向こう側まで、確実に届いていたはず。次は――次でなくても、いつかは――有刺鉄線のなくなった浜に音楽が響く、そんな光景を、多分あの日あそこにいた多くの人が思い描いていた。みんなが「日常」へと持ち帰ったその思いは、時間とともにじわじわと広がり、つながり、大きな力になっていくんじゃないか。自分もまた「日常」へと戻った今、そんなことをずっと考えています。(riyu)

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