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日めくり編集メモ 073

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いよいよ12月。1年は早いものだと物思いにふける間もなく、今年も押し迫ってきました。年賀状作成も大掃除も、筆者はまだ予定すら立っていません。

12月を「師走」というのはご承知と思います。お経を上げるお坊さんが走り回る月なので「師馳(シハセ)」から、というのは聞いたことがありますが、日本国語大辞典で調べてみるとほかにも語源説が。▽四季の果てる月なので「四極(シハツ)月」▽「歳極、年果、歳終(トシハツル)」の義▽「成終月(ナシハツルツキ)」の略――など。

ここからは難しくなるので、辞書の表記どおりにすると▽農事が終わり、調貢の新穀をシネハツル(歛果)月であるところから▽稲のない田のさまをいうシヒアスの約。シは発声の助語。ヒアスは干令残の義▽シヲヘオサメヅキ(為竟収月)の義▽セハシの義▽シバシ(暫)の月の義――と、計9つも説がありました。

英語なら12月はDecemberですが、この語源はラテン語のDecem(10)から。10倍をデカ、10分の1をデシというのもここからですね。古代ローマでは3月を第1の月としたため、12月は10番目の月だったのです。本来、師走とは陰暦12月のことですから、陰暦で考えると今日はまだ10月。洋の東西で意外な一致(?)を見ました。
(参考資料:『日本国語大辞典』小学館、『研究社新英和大辞典』研究社)

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