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日めくり編集メモ 074

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北海道・南十勝の広野を悠然と行く気動車が、かつてありました。帯広―広尾間84キロメートル。旧国鉄広尾線は198722日に廃止されましたが、現在でもその線路や駅の跡はいろいろな形で残っています。

当初の構想は苫小牧から浦河を経て帯広まで至るという壮大なもので、広尾線はその一部でした。1927年に工事が始まり、2年後に帯広―中札内間が、さらに翌年に大樹までが開通し、1932年に広尾まで全通します。沿線住民の足、農産物の輸送として活躍しましたが、全通から58年で廃止を余儀なくされました。

 

広尾線といえば、愛国―幸福間の切符が流行したのを思い出す方もいるでしょう。1973年にNHKテレビ「新日本紀行」で紹介されたのをきっかけに大ブームとなり、「愛の国から幸福へ」のキャッチコピーで赤字ローカル線に一躍観光客が押し寄せました。翌74年にはこの切符が300万枚も売れたということです。

 

ブームは去り、路線もなくなってしまいましたが、鉄道記念公園や保存された駅舎を見ると、この線への地元の方々の愛着が感じられます。特に幸福駅は当時のままで、展示されている気動車キハ22は今にも走り出しそう。ちなみに今日125日の帯広市の天気予報は晴れ、最高気温7度、最低気温マイナス1度です。

(参考資料:宮脇俊三編著『鉄道廃線跡を歩くVIJTB、『日本国有鉄道百年写真史』日本国有鉄道、帯広市ホームページ「観光・移住インデックス」

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