テレビに比べ地味な印象はありますが、ラジオは聴取者に近いところにいる分、親しみを覚える媒体と言えます。中でも、沖縄県のAMラジオ単営局・ラジオ沖縄(ROK)は実にユニークです。社是は「ローカルに徹せよ」。
ROKは復帰前の1960年に放送を開始したので、今年がちょうど50周年。歴代の人気番組には「お〜〜い、歌の巡航船が来たよ〜」の掛け声で始まる「歌の巡航船」、落合恵子さん風パーソナリティだった米吉奈名子さん(現報道デスク)の「奈名子のドリームコール」、独特のウチナーヤマトグチで人気だった今は亡き高良茂さんの「ぶっちぎりtonight」、岩井証夫さんたちの「へのへのうしし」など目白押しです。
開業直後からの長寿番組「民謡の花束」も忘れられません。沖縄民謡は夜のものと言われていましたが、昼に流したのはROKが初めてでした。画期的で、これも「ローカルに徹せよ」の具現化。中央からの大量の情報に流されず、地方の文化を大事にする姿勢は開業当初からなのですね。さらに県外に発信するため、インターネットのポッドキャスティング配信にも積極的で、ひと月に3万件以上のダウンロードと大人気です。
このROKの人気番組「ティーサージ・パラダイス」と「チャットステーションL」(あわせて「ティーチャ」)の特別公開生放送が12日、東京・町田の「沖縄宝島にらい町田店」前で午後1時から行われます。パーソナリティのひーぷー(真栄平仁さん)、みーかー(玉城美香さん)はもちろん、沖縄民謡歌手の松田一利さんも登場します。無料ですので、お近くの方は「南の島のゆるーい放送」をご覧になってはいかがでしょうか。
(参考資料:ラジオ沖縄編『ラ・ラ・ラ、ラジオ沖縄』ボーダーインク、まぶい組編『おきなわキーワードコラムブック 事典編』沖縄出版)