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マガ9編集部発の情報やスタッフが書いたコラムを随時お届けします。

戦時下の「表現規制」と現在進行形の 「表現規制」(都青少年健全育成条例の修正案)について、

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児童文学者の山中恒さんと漫画家の石坂啓さんが、語ります!

◎12月4日(土)「マガ9校」。まだまだ加者募集中!!!

http://www.magazine9.jp/gakko/004/


今回『童文論』を大月書店から刊行された山中恒さん。自らの実体験も踏まえながら、前、中、童文作家がどのように、なぜ「戦争協力」の「子どもの本」を書いたのか? そしてどのような「表現規制」がかけられたのか? というお話してくださる予定です。しかし「表現規制」は、過去の話ではなく、現在進行形の話でもあります。

今、まさに石原都知事のもとで、一度案になった東京都の少年健全育成条令の修正改正案が12月の都議会に出されました。

そして今回は、可決の可能性が高くなっています。(前回は規制に反対をしていた民主党が、今回はなぜか規制賛成にまわりそうなのだそう)。

その問題について、藤本由香里さん(明治大学准教授)がmixiにわかりやすくまとめてくださっていますので、

ご本人の許可を得てここに転載いたします。

(mixiはiPhoneユーザーは、新規登録できないため、見たくてもみれない人も多いと思ったので)


藤本さんには、4日のこの会の重要性をツイッター上でいち早く指摘され、参加を表明してくださりました。

藤本さんんは、今回の都の少年健全育成条令の修正改正案の経緯や内容について、最もお詳しい人の一人ですから、

当日も簡単に問題点を説明をしていただく予定です。


みなさん! 歴史にちゃんと学んで、同じ過ちは繰り返さないよう、悪法はみんなの手でストップをかけましょう。


*******ここから転載***********


新しく出てきた、東京都青少年健全育成条例新改正案ですが、

ここへきて、さまざまな団体から意見表明がなされています。


日本ペンクラブ http://www.japanpen.or.jp/news/post_248.html 

それに東京弁護士会 http://www.toben.or.jp/news/statement/2010/1125.html

出版倫理協議会  http://www.jbpa.or.jp/pdf/documents/tojorei-hantai.pdf 


条文そのものについては下記にまとめられています。

http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/2010/11/post-e3fa.html


山口弁護士が指摘する改正案の問題点はこちら

http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/2010/11/post-b4f0.html


また、今回は民主党がかなり揺れていることなどについては、

下記のブログに詳しいです。(長いですが)

http://angels-pathway.clanteam.com/What_to_do_101123.html


さて、私なりにまとめた、今回の改正をどう捕らえるかなのですが、

今回の改正案は、

基本的に「不健全図書指定範囲の拡大」にしぼってきており、

その点では、自主規制に都民の監視義務がセットになって、

広範な悪書狩りを招きかねなかった前回よりはましになっているともいえます。


しかし、18歳未満という年齢制限がはずれ、

規制の対象となる行為を、キャラクターの年齢に関わらず、

「刑罰法規にふれる性行為」および「結婚できない近親間での性行為」

としたことで、規制の対象はあきらかに広がっています。


つまり、前回が「非実在青少年」規制だったのに対し、

今回は、「非実在性犯罪規制」だというところに特徴があります。

つまり、刑罰の対象になる違法な性行為は、描くことも規制しよう、ということです。 



このあたりがいかにも「警察の発想」ですよね。


「刑罰法規に触れる性行為」には、

強姦、強制わいせつ、売春、公然わいせつ(たとえば屋外での性行為)...etc.

それに淫行条例(18歳未満との性行為)が入りますので、

「非実在青少年の性行為」は規制の対象として残っていることになります。

(ただし、東京都の条例では両方18歳未満ならば刑罰の対象にはならない...。

 ――このへんの「刑罰法規に触れる性行為」については具体的に何を指すのか特定してほしいところです)


ただ、不健全図書指定は審議会を経て指定されますので、

審議会が「不当に賛美または誇張し」という要件をどのくらいの範囲にとるかで、

実際には運用面で一定の制限を設けることは可能です。

(表現の萎縮は起こると思いますが)


それと、大事なことは、この改正案が通った場合、

特に、BLへの影響がかなり大きいと思われます。

ご存じの方はご存じだと思いますが、

BLには強姦と近親相姦の設定がきわめて多いのです。

 (なにもBLをねらいうちしたわけではなく、おそらくそんなことは、

  この改正案を作った人は想定していなかったのではないかと思いますが。

  しかし、強姦や近親相姦の犠牲者が多いと思われる女性が描く作品に、

  そうした設定が多いというところに、

  本当は、「表現」というものの持つ複雑さと力が表われています。

  つまり、「表現」というのは、必ずしも

  現実に対する「欲望」の表現であったり、欲望の現実化を誘発するものではなく、 



  むしろ潜在的に「そうはありたくない」という人間に、

  その状況のコントロールの仕方を教えたり、

  シミュレーションを可能にしたり、

  あるいは実際にあった体験を癒すための役割も果たす、ということです)


しかし何より問題なのは、

違法な行為は描くことも規制する、というのは非常に危ない発想だということです。

現在のところ改正案は「非実在<性>犯罪」規制でとどまっていますが、

それが「性犯罪」に限定される、という保証および理由はどこにあるのでしょう?

「違法行為を肯定的に描く作品が規制されるのは当然」

ちょっと聞けばもっとものように思えるこの発想からいえば、

当然、「犯罪行為」一般を描くことを規制せよ、

という流れに、やがてなっていくのではないでしょうか。

だとすれば、「違法行為を不当に賛美または誇張」した作品の中には、

「ONE PIECE」も「ルパン3世」も入ります。

今回の改正案ではそれにどう歯止めをかけるかが一番問題だと思います。


 あともう一つ、上に描いたような規制は、マンガ・アニメ・ゲームにだけ適用され、

「実写は除く」 とわざわざ書いてあるのはものすごい疑問です。

 どんな違法な性行為でも、実写なら何のお咎めもなしなんて、どうなってるの?


 月曜日の午後には、ちば先生をはじめ、藤子不二雄A先生や、松本零士先生、秋本治先生、

やまさき十三先生、本そういち先生などが記者会見をなさいます。ニコ生で放送予定。

  

 「私たち漫画家は、都青少年育成条例に断固反対します!」記者会見 生中継

11/29(月) 開場:16:20 開演:16:30。 http://live.nicovideo.jp/watch/lv33227605


 状況を覆すために、これが効いてくることを信じます。

 

 *この日記へのリンクや転載はなさってくださって、かまいません


*******ここまで***********


歴史を学び、歴史の過ちを繰り返すな!!

4日のご参加をお待ちしています!!

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