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日めくり編集メモ 092

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毎年のことですが、このお正月も多くの初詣客を集めたのが千葉県成田市の成田山新勝寺。300万人近くが初詣に訪れる真言宗智山派の大本山です。この成田山はあちこちに別院や末寺があることでも知られています。

江東区にある東京別院の起こりは、江戸元禄期、歌舞伎の市川團十郎が不動明王を演じた芝居が大人気となったことから。成田山の本尊である不動明王を江戸で参拝したいとの機運が高まり、1703年、江戸出開帳が永代寺で開催され、大変な評判を呼びます。これを含めて江戸時代には12回行われました。明治に入って廃仏毀釈のあおりで永代寺は廃寺となりましたが、1869年に現在の地に「深川不動堂」の名が認められ、1881年本堂が完成。関東大震災と東京大空襲で本堂は焼けてしまいますが、本尊は奇跡的に焼失を免れました。

深川より早い、全国の成田山別院の先駆けが埼玉県の川越別院です。この別院を開創した1805年生まれの石川照温は幼少時から困難に遭い、両目を失明。しかし、成田山新勝寺での修行によって不思議にも視力が回復しました。この加持の力に感動し、貫首である照阿上人を慕って出家得度した照温は諸国を巡ります。川越の世話人たちが、照温を住まわせるため川越城主の許可を得て廃寺になっていた久保町本行院を1853年に再興したもので、1877年、別院として最も早く開かれました。

ほかに札幌、函館、横浜、大阪、名古屋(犬山)、福井に別院がありますが、寝屋川市の大阪別院開設は少々変わったものでした。大阪の鬼門(丑寅=北東)に当たり、開発の遅れていた北河内の発展を祈念するため、京阪電気鉄道は香里遊園地の跡に成田山を勧請し、この大阪別院が誕生しました。香里遊園地は、現在のひらかたパークの前身に当たる遊園地です。ほかに末寺や教会は北海道から沖縄まで72カ寺もあり、各地で信仰を集めています。
(参考資料:大本山成田山ホームページ深川不動堂ホームページ成田山川越別院ホームページ成田山大阪別院明王院ホームページ

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