以前のエントリーで、「普通なら『ありえない』と思われるはずのことが、なぜか一部の場所では公然と、当たり前のように行われている」理不尽さ、について書きました(http://daily.magazine9.jp/plus/2010/10/-httpwwwmagazine9jpcitizenevent034.html)。この年末年始、沖縄本島北部・高江で起こっていたこともまた、まさにその、普通なら「ありえないこと」だったと思います。
以前に何度かサイト内でも取り上げましたが(http://magazine9.jp/realpeace/04/index1.php など)、豊かなやんばるの森に囲まれた高江の集落のすぐ隣には、米海兵隊の北部訓練場があります。そして、その一部返還に伴って、新たな「ヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)」建設計画が進められてきました。
2008年の12月には、座り込みなどの反対運動を続けていた住民たちに対し「通行妨害の禁止」などの仮処分を求める訴えを、沖縄防衛局が那覇地裁に申し立て。政権交代後もその方針は変わらず、2010年1月、住民2人を被告として「高江の住民による妨害行為の禁止」を求める正式な提訴が行われました。
昨年12月1日の第5回口頭弁論では、那覇地裁の裁判長が、「訴訟の根本にあるのは北部訓練場の返還計画をめぐる問題。判決では真の解決にはならない」として、「訴訟が続いているうちに対話を試みてほしい」という異例の提案をしました。防衛局側が、裁判所の求める「妨害行為の具体的な立証」などを提出していないことも考え合わせれば、専ら防衛局側に「説明すること」「対話すること」を求めた発言だったと言えるかもしれません。
ところが、そうした提案さえも無視する形で、12月22日早朝、防衛局はヘリパッド建設予定地でのフェンス建設工事の強行に踏み切りました。
さらに、翌23日の夜には、住民の座り込み拠点になっているテントの上空で米軍ヘリがホバリング(空中静止)し、その風圧でテントが破壊されるという事件が発生(http://www.qab.co.jp/news/2010122423605.html)。幸いけが人などは出なかったものの、中にもし人がいたら、と考えただけでゾッとします。住民たちや支援者の抗議、現地メディアの取材に対しても、米海兵隊や防衛局は「通常の訓練をしていただけ。ホバリングはしていない」と回答するのみ。翌24日朝にも防衛局職員らが、ふたたび作業を強行しようとしたといいます。
(米軍基地の負担について)沖縄の人たちに理解を求める、と繰り返す現政権。その「理解を求める」やり方がこれなのでしょうか。政権交代のときに私たちが抱いた期待は、本当に何だったのか。
現地からのブログ「やんばる東村 高江の現状」に、「今、高江のためにできること」というエントリーがありました(http://takae.ti-da.net/e3288753.html)。
とにかく、1人でも多くの人に、このブログを読んで、「何が起こってるのか」を周りの人にも伝えてほしい。あまりにも「知らされる」ことがなさすぎる、というのが、高江の問題を知ってからずっと、強く感じていることなのです。
それから、本当に直前の告知になってしまってごめんなさい、ですが、1月10日(休)には東京で、「辺野古への基地建設を許さない実行委員会」の主催により、アメリカ大使館及び防衛省への抗議申し入れが行われるそう(詳細は http://helipad-verybad.org/modules/d3blog/details.php?bid=171)。メールでの抗議メッセージも明日(8日)まで受け付けているそうです。(riyu)