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日めくり編集メモ 100

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街中を歩くとマスク姿が目立ちます。風邪? インフルエンザ? それとも花粉症? 予防の理由はそれぞれありますが、この出で立ちは日本独特らしく、外国からの旅行者が異様に感じることもあるようです。

医療用マスクや産業用防塵マスクもありますのが、ここでは一般向けの衛生用マスクについてお話ししたいと思います。マスクが日本に広まったのは1918年から翌年にかけ、スペイン風邪と称されたインフルエンザが大流行してからだと言われています。当時のマスクは「工場用マスク」として粉塵をよけるために利用されていたもので、真鍮の金網を芯に布地をフィルターとして取り付けたもの。当時の画像を見ると黒色で、少々不気味ささえ感じられます。

 

スペイン風邪は、全世界で感染者6億、死者はおよそ2500万人というパンデミック(世界的流行病)。日本では当時の人口約5500万人に対し38万人余が死亡しました。この大流行を考えれば、不気味であっても着用したくなる気持ちは当然ですね。その後金網がセルロイドになったり、フィルターに革や別珍を使うもの、枠のない布地だけのもの、ガーゼが使われるようになるなど形は変わり、現在の平型マスクの形になったのは戦後の1948年頃だそうです。

 

布地だけのガーゼマスクが長らく主流でしたが、最近は鼻に沿って曲げられる金具やプラスチックの入ったものが多いようです。また鼻の部分にスポンジ製のパッドを用いて眼鏡が曇らないようにしたものや、あごまですっぽり隠れるもの、立体型に裁断されたものなど薬屋の店頭は花盛り。マスクのほかに、風邪やインフルエンザにはうがいや手洗い、花粉症には投薬や手術、花粉に身をさらさないなどの対策でこの季節を乗り切りましょう。

(参考資料:社団法人日本衛生材料工業連合会ホームページ/マスクについて東京都薬剤師会・北多摩支部おくすり博物館/おき薬紹介シリーズ2

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