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リビアで今、起こっていること<後編>-2

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■リビアの問題は、リビア人の手に

 いずれにしても、もちろん話し合いで内政が落ち着けば一番いいとは思うけれど、それができるようならそもそも40年間の独裁は続いてこなかっただろうし、リビアが変わるためには、今の国内での衝突は絶対に避けられないものだとも思います。

 

 でも、それはあくまで「リビアの問題」であって、他の国々に介入はしてほしくない、というのが僕の意見です。もちろん、医療や食糧といった人道的支援については100%サポートを求めるし、資産凍結などカダフィとその一族に限定した今の国際社会の制裁(※)はベストな形だと思うけれど、それ以上の軍事的・政治的な介入はしないでほしい。40年間泣き寝入りしてきた人たちが、やっと動き出したんだから、それを邪魔しないでほしいという気持ちがあります。

 

 というのは、アメリカなど国際社会の介入によって、事態は今よりさらにひどくなるのではないかという懸念が、リビアだけではなくアラブ社会全土に強くあるからです。イラクがまさにそうですよね。アメリカなどが軍事介入したことによって、フセインという「蓋」がなくなって、イラクが抱えていた中の問題が一気に噴出してしまった。リビアもそうなってしまう可能性は十分にあるし、今「カダフィ支持派」とされている人の中にも、「それならカダフィのほうがまだまし」という思いで政府寄りの立場を取っている人は少なくないと思います。僕もその気持ちはよく分かりますね。

 

 以前のリビアに西洋型の「自由」はなかったかもしれない、という話をしましたけど、僕はすべての国に西洋型の民主主義や自由がなくてはならないとは思わないんです。地域や文化によってそれぞれのベストなやり方は違うし、ある地域ではそれが「独裁」かもしれない。でも、そこに暮らす人たちがそれでいいのであれば、それが逆に本当の民主主義なんじゃないかと思うんですよね。

 

 だから、国際社会には基本的に「ノータッチ」でいてほしい。今、東部で暫定政権を立ち上げようとしている元法務大臣のアブドルジャリルにも、アメリカ政府が接近している可能性が指摘されていますけど、アメリカの後ろ盾で新政権が誕生したというようなことになれば、国民の不満はまた高まるでしょう。そうではなくて、リビア人の問題はリビア人が解決するというスタンスのままのほうが、最終的にはうまく収まるんじゃないかと思うんです。(3へ続く)

 

※国際社会の制裁...2月末、国連安保理事会は、カダフィとその家族に渡航禁止や資産凍結などを科す制裁決議案を全会一致で採択した。日本政府もこれを受け、出入国の禁止や資産凍結などの措置を決定している。

 

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