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日めくり編集メモ 114

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テレビCMも各社が自粛しているようで、延々とACジャパン(旧・公共広告機構)CMが流れるばかり。それにしても、このACとはなんなのでしょう。

AC1971年、アメリカの広告協議会Ad Council=アド・カウンシル)をモデルに任意団体「関西公共広告機構」として発足。1974年に社団法人化され、名称も「公共広告機構」となりました。アド・カウンシルは、小児マヒ、町の清掃、山火事防止などをテーマに公共広告を掲載・放送してきました。これを手本に環境、福祉、青少年問題、道徳などをテーマにしており、2009年から「ACジャパン」と再改称されています。

 

広告主企業、媒体社、広告会社など会員社からの賛助で運営されている民間団体です。割安なスペースや放送時間を提供してもらうことでAC広告を展開していました。最初のテレビCM出演者は映画評論家の淀川長治さん。「投げたらアカン」「ジコ虫」など記憶に残るものもありますね。1980年代からは企業の不祥事などによる差し替えCMとして放送が多用されます。また不況になってからは、埋まらないCM枠の穴埋めで放送されました。

 

今回は、地震によってクライアントの7割以上が自粛していることで延々とACCMが流されているのです。CMが作られたのは昨年7月以前ですから、内容のそぐわないものがあるのも致し方ありませんが、挨拶の励行や思いやりの気持ちなど、意識の啓発として常時非常時変わらぬものもあります。しかし、企業CMを自粛したからといって状況が改善されるものでもありません。長期化せぬことを切に望みます。

(参考資料:ACジャパンホームページ、「テレビCMが「AC」だらけに その真相に迫る「AC」担当者単独インタビュー」=モデルプレスホームページ、『現代用語の基礎知識』1994年版、2011年版、自由国民社)

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