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日めくり編集メモ 117

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テレビをつけると延々とACCMが繰り返され、街に出るとポスターの上に「〜大会中止のお知らせ」の貼り紙。すっかり自粛ムードに覆われてしまった最近です。いったいいつまで続くのでしょう。

自粛は読んで字のごとく「自らを粛(つつし)む」のですから、本来自分から行うもの。しかし同調圧力のせいか、触らぬ神に祟りなしとばかりに次々とイベントを中止していく風潮には危機感を覚えます。東京の神田祭と三社祭、さらには8月に予定されていた東京湾大華火祭も中止となってしまいました。この傾向は未だに続き、先日は福岡のイベント会社があおりで倒産したそうです。

 

また、東京・目黒区美術館が来月9日から予定していた「原爆を視る1945-1970」展の開催を中止しました。理由には「大震災の惨状や原発事故による深刻な影響を受けている多くの方々の心情等に配慮」とあるのですが、原子力の負の部分を隠そうとするこの事なかれ主義には怒りすら覚えます。今だからこその展覧会の意義を、なぜ見出せないのでしょう。

 

歌舞伎では対応が分かれました。国立劇場では15日で以降の日程を中止しましたが、新橋演舞場では取りやめた日はあったものの、明日26日の千穐楽まで興行を続けています。地震後は客も少なくなったようですが、役者は大奮闘していました。無駄遣いはいけませんが、必要以上に縮こまることはありません。それぞれの持ち場で、各人が出来ることをするのが大切です。自粛は人を救いません。

(参考資料:目黒区美術館ホームページ

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