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日めくり編集メモ 120

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阪神甲子園球場では選抜高校野球大会の熱戦が3日まで繰り広げられ、東海大相模高校が優勝しました。さて、現在の大会歌は「今ありて」ですが、かつて開閉会式で流れていたのが「陽は舞いおどる甲子園」です。

この歌は正式には「選抜高等学校野球大会歌」(学制改正前は「全国選抜中等学校野球大会歌」)といいます。詞は少々大時代がかっているかもしれませんが、メロディーは吹奏楽でよく演奏されましたので、1934年から1992年まで半世紀を超えて使われたこの曲を聞けば、お分かりになる方は多いのではないでしょうか。

作詞したのは、大阪毎日新聞学芸部長も務めた詩人の薄田泣菫(きゅうきん)。明治時代に蒲原有明とともに象徴派詩人として名を知られました。大正になってからコラム執筆に転じ、1915年からの「茶話」は評判を呼んでその後15年にわたって続けられ、現在でも岩波文庫や冨山房百科文庫で読むことができます。

震災被災地である青森、宮城、茨城から出場したチームは、いずれも2回戦までに敗退してしまいました。しかし、どのチームも詞の通り「陽は舞いおどる 甲子園 若人よ 雄々しかれ」を体現していました。東北高校ナインは震災直後からボランティアで清掃や片付けをしていましたが、甲子園から戻ってすぐに再開したということです。
(参考資料:毎日新聞2011年4月4日付)

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