今度の日曜日は、全国12都道県知事選挙のほか、道府県議会議員選挙、政令指定都市市長選挙など統一地方選挙の前半戦の投票日。なかでも注目されるのが、首都の知事を決める東京都知事選挙です。
東京都知事選挙の争点はいくつもありますが、まず都民の命にかかわる問題として、築地市場の移転が挙げられます。移転予定地の土壌汚染は環境基準を超えるものでしたが、都は除去の上、3年後の移転を目指しています。今回の震災で予定地の液状化は約90カ所で確認されました。この地で「食の安全」を保証できるのか、大いに疑問です。
もうひとつ、福祉の問題です。現知事になってから都立病院の数は16から8となり、3つあった小児病院は廃止されました。またシルバーパスの有料化のほか、老人医療費助成や各種手当を廃止するなど、高齢者への福祉を切り捨ててきたことも見逃せません。予算に占める老人福祉費の割合は、かつて全国2位だったものが今や最下位になりました。
ほかにも青少年条例や新銀行東京の処理など、問題は山積です。今回の原発事故で露呈した、地方に負担を押し付ける都市生活のありようが問われているのはもちろんですが、都民の暮らしという点からも今回の都知事選は重要です。震災直後とあって少々盛り上がりに欠ける選挙ですが、大事な1票を無駄にせぬよう、投票所へ行きましょう。