きょう5月1日はメーデー。労働者の祭典として重要な日です。しかし、連合は震災の影響を名目に自粛し、縮小した規模で開催しました。確認された宣言文も精神論に偏った内容。これだけ国民の不満が高まっているときなのに、妙に内向きです。
メーデーは1886年のこの日、米シカゴの労働者が8時間労働を求めてストライキを行ったのが始まり。日本では1920年5月2日に東京・上野公園で開催されたのが第1回です。分裂メーデーとなっている連合、全労連とも、ここから数えて今年で82回目であるとしています。2001年から連合は、5月1日を外して毎年開催していますが、29日に代々木公園で開かれた今年の中央大会は動員数を減らし、さらにデモ行進も見送りました。
富山や福井など一部の連合地方組織は、デモ行進で被災地への支援を呼びかけました。しかし、元会長で顧問の笹森清氏、事務局長の南雲弘行氏は電力総連(ともに東京電力労働組合)出身。身内に原発推進の組合があるナショナルセンターでは、進行中の原発事故はもちろん、震災に対してすら意思表示ができないのでしょうか。これでは「反・脱原発」を言わせないためにデモを中止にしたのではないかと勘繰ってしまいます。
未曾有の事態を受け、これからの一人ひとりの考えが問われる中、その表現の場を「自粛」してしまうのは甚だもったいないこと。こういうときだからこそ原発の最前線で働く人々や、非正規・派遣労働問題の状況も、より厳しさを増しているはずです。労働者に声を上げさせず、蔓延する自粛の空気に乗る労働組合は、果たして誰の味方なのか。ちなみに、反連合のナショナルセンターである全労連、全労協は例年通り1日に開催します。
(参考資料:連合ホームページ)