先日郊外でふと空を見上げると、大きな鯉のぼりが泳いでいました。子供の健やかな成長を願っての風習ですが、住宅密集地では小さなものがベランダから顔を出していることもしばしば。きょう5月5日はこどもの日です。
最近では、張ったワイヤーロープにたくさんの鯉のぼりが泳ぐ光景もあちこちで見られます。
ところで、ポールの先にある矢車ですが、広まったのは大量生産が出来るようになってからだそうです。もともとポールとして立てられた丸太や竹の棒の先には、「招代(おきしろ)」と呼ばれる神様を呼び寄せるための目印がついていましたが、庶民には許されませんでした。そこで地方によって違いはあるものの、榊や杉、柏の葉などを棒の先に飾っていたということです。
時代も下って江戸時代末期、一部の地方で駕籠玉をつけるようになりました。これは招福を願って、球状の駕籠を天に向けて挿したのが始まり。これが次第に派手になり、金箔を貼った駕籠玉が全国に広がりました。筆者がこれを見かけたのはやはり茨城県の鹿行(ろっこう)地方。ここも目立ちませんが被災地の一つです。鯉のぼりは震災を乗り越えて舞っているでしょうか。
(参考資料:秀光人形工房ホームページ内「しゅうこう工房 五月人形・鯉のぼり豆知識」)