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日めくり編集メモ 133

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先日郊外でふと空を見上げると、大きな鯉のぼりが泳いでいました。子供の健やかな成長を願っての風習ですが、住宅密集地では小さなものがベランダから顔を出していることもしばしば。きょう55日はこどもの日です。

最近では、張ったワイヤーロープにたくさんの鯉のぼりが泳ぐ光景もあちこちで見られます。茨城県常陸太田市の竜神峡にある竜神大吊橋は全長446メートル、中央支間375メートルを誇る本州一の歩行者専用橋で、毎年「鯉のぼり祭り」を開催。寄付された1000匹の鯉のぼりが群泳する光景は圧巻でしたが、残念ながら東日本大震災の影響で今年は中止となっています。

 

ところで、ポールの先にある矢車ですが、広まったのは大量生産が出来るようになってからだそうです。もともとポールとして立てられた丸太や竹の棒の先には、「招代(おきしろ)」と呼ばれる神様を呼び寄せるための目印がついていましたが、庶民には許されませんでした。そこで地方によって違いはあるものの、榊や杉、柏の葉などを棒の先に飾っていたということです。

 

時代も下って江戸時代末期、一部の地方で駕籠玉をつけるようになりました。これは招福を願って、球状の駕籠を天に向けて挿したのが始まり。これが次第に派手になり、金箔を貼った駕籠玉が全国に広がりました。筆者がこれを見かけたのはやはり茨城県の鹿行(ろっこう)地方。ここも目立ちませんが被災地の一つです。鯉のぼりは震災を乗り越えて舞っているでしょうか。

(参考資料:秀光人形工房ホームページ内「しゅうこう工房 五月人形・鯉のぼり豆知識」)

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