東京・新宿のカタログハウス本社地下セミナーホールはマガ9学校の会場としてお馴染みですが、甲州街道から向かうとその手前に「PUK PUPA TEATRO」とあるコンクリート打ちっぱなしの建物があります。このプーク人形劇場が誕生して今年で40年です。
ここを本拠とする人形劇団プークは1929年、東京・赤坂で人形クラブ(エスペラント語でLA PUPA KLUBO=プーク)の名で上演したのがはじまりです。当初は後の名優である中村伸郎さんも所属していました。彼を含め開成中学の同窓生がこの3年前に「ダナ人形座」として公演を行ったのが更なるルーツ。同窓生の川尻東次さんが中心メンバーでしたが1932年に亡くなり、当時18歳だった弟の川尻泰司さんがその衣鉢を継ぐことになりました。
戦中の雌伏期を経て、1946年に劇団を再建。好評を博したのも束の間、占領政策批判がGHQの逆鱗に触れ、公演は中止に追い込まれ苦境に立たされます。この危機を乗り越えられたのは民放テレビの開局。影絵「千一夜物語」(日本テレビ)制作を機に各局の番組やコマーシャルに出演しはじめました。海外や各地での公演も重ね、次第に劇団も知られて隆盛になり、1971年11月に日本初の現代人形劇専用劇場であるこの劇場が完成したのです。
プークは現在、劇団プーク、プーク人形劇場(劇場運営)、スタジオノーヴァ(映像制作)の3部門に分かれて活動しています。現在同劇場では、第4回マガ9学校でお話しくださった山中恒さん原作『小さなトムトム』と『だるまちゃんとだいこくちゃん』が土日に公演中です。また、5月21日には大震災チャリティーとして全国児童・青少年演劇協議会(全児演)関東ブロックによる「劇とあそびのこどもまつり」が開かれるということです。
(参考資料:人形劇団プーク ホームページ、プーク人形劇場BLOG)