日々の新聞は、東日本大震災と東京電力福島原子力発電所事故の記事に大部分が割かれていますが、そのかげで日本政府は、米軍の輸送機「オスプレイ」の沖縄配備を容認する方針を固めた模様です。
「オスプレイ」は海兵隊の新型垂直離着陸輸送機。ベトナム戦争の頃からの老朽ヘリコプターと交代させる計画は1992年からありましたが、開発段階から墜落事故が相次ぎ、その死者の多いことから「ウイドウ・メーカー(未亡人製造機)」と呼ばれたことも。また騒音も激しく、実際に配備された場合の迷惑は計り知れません。一方で普天間基地代替施設については一向に進展がなく、名護市辺野古への移転はもはや実現不可能な状態。結果的に市街地にある普天間基地にオスプレイが配備される可能性が高まっています。
辺野古のほか問題になっているのは、
今回の震災での米軍の協力は「トモダチ作戦」という名ですが、日本への懐柔にしか感じられません。先日の朝日新聞の、ウィキリークスを精査した末のスクープは衝撃的な内容でした。海兵隊のグアム移転費の水増しも言語道断ですが、日本の官僚が米国の立場に寄り添うような発言をしていることには怒りを通り越して、絶望的な気持ちになります。「宗主国アメリカ」へ擦り寄る日本の官僚をコントロールできないばかりか、それを追認するばかりの政権。全国紙での報道は減っても、沖縄の基地問題は現在も進行中なのです。