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日めくり編集メモ 144

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前回お話しした「コンピュータ監視法案」の問題はもちろん、東電福島原発事故の情報隠しや最近のニュースを考えると、通底するテーマが見えてきます。官僚による、一般国民の愚民視です。

28日、福岡県川崎町議会議長が、選挙違反事件に関する警察の不当な取り調べを訴えて自殺しました。またその前日には、選挙違反で逮捕された埼玉県深谷市議会議員が処分保留で釈放されましたが、この議員の支持者は虚偽の証言を強要されたとして警察などに抗議しています。深谷の事件は「第2の志布志事件」という人もいるほど。警察や検察の暴走は今に始まったことではありませんが、近年とみに目立つようになりました。自分たちの描いた構図に、それが外れていようと人を嵌め込む手法です。

 

この「構図に嵌め込む」手法は警察や検察だけではありません。アメリカ追随の外交交渉においても、政治家と官僚が決めた物事は絶対であり、一般国民はそれに従えばよいと言わんばかり。そうでなければ、圧倒的な沖縄の世論に抗して「普天間代替施設」を強行しようとは考えないでしょう。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)についても然り。折しもウィキリークスで外務官僚がアメリカに内通していたことも明らかになりましたが、こんな「売国の構図」に嵌め込まれてはたまったものではありません。

 

本来であれば、国民の選んだ政治家が官僚をコントロールすればよいのでしょうが、政権交代してもご覧のとおりの体たらく。ウィキリークスの件にしても身動きが何ひとつ取れません。官僚の愚民視は、自分たちの誤りを認めない「無謬主義」によるところが大ですが、それとともに、愚民視されても仕方がないほどの国民の無関心もその要因でしょう。選挙の投票率は何パーセントでしょうか。どれだけの人が社会問題に声を上げてきたでしょうか。現状がその帰結と考えたくはないのですが...

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