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日めくり編集メモ 145

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東京電力福島第一原発事故はまったく収束の気配すら見せませんが、そんなさなかのきょう63日は、皮肉にも「原子力安全文化の日」だそうです。

この日は、2010年に島根原発で、定期検査結果の書類が事実とは異なり、点検漏れが多数見つかるなど杜撰な実態が明るみになったことを受けて、中国電力が定めたものです。そもそもの発端は、機器の点検期間を過ぎているとのメーカーからの連絡。調査したところ点検漏れが506件、点検計画と実績に食い違いがあるものが1159件の計1665件発覚しました。

 

中国電力はこれを受け、再発防止策を提示しました。しかしその内容は品質管理の徹底や検討会をつくるなどで、自身の隠蔽体質を正面から見直すようなものではありませんでした。原子力安全・保安院の立ち入り検査はご承知の通りの馴れ合い。この問題では担当者だった電源事業本部の部長が自殺とされる不審死をしており、底知れぬ闇を実感させます。

 

この再発防止の最終報告書提出日が63日ということで制定された「原子力安全文化の日」ですが、表面を取り繕った白々しさを思わずにはいられません。1号機(現在検査で運転停止中)は運転開始から既に37年が経過し、老朽化が懸念されています。今回の震災で、日本に原発が立地できるところはないと分かりました。一刻も早い廃炉が求められます。

(参考資料:中国電力島根原子力発電所ホームページ「島根原発 点検漏れ506件 中国電力 1665件「点検に問題」」しんぶん赤旗201051日付

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