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日めくり編集メモ 152

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再生可能エネルギー普及促進のための「グリーン電力基金」というファンドをご存じでしょうか。2000年から進められてきたこの事業ですが、多くの電力会社の管内で昨年度、あるいは今年度で終了となるようです。

グリーン電力とは、風力、太陽光、小規模水力、バイオマスなどの再生可能エネルギーを中心として従来の発電方法の電力を組み合わせて電力会社が販売する電力のことです。日本ではこの「グリーン電力基金」のほか、北海道グリーンファンドによる「グリーン電力料金制度」、日本自然エネルギー株式会社による「グリーン電力証書」がありました。たとえば北海道浜頓別町や石狩市などにある市民風車は、北海道グリーンファンドからの基金によって建設されたものです。

 

さて、グリーン電力基金は200010月から始まった、有志と電力会社、さらに新エネルギー発電事業者が一体となって自然エネルギー導入を応援するためのファンド。各電力会社管内の産業活性化センターなど公益団体がこの基金の管理・運用を行い、公共施設や福祉施設への太陽光パネル設置など再生可能エネルギーへの助成が行われました。うち東電管内のグリーン電力基金の助成は、終了までの10年間におよそ21億円、578件。累計の電力量は約9300kWhになりました。

 

しかし、中部電と関電を除く地域のグリーン電力基金は終了。その理由には「国や自治体の補助制度の充実」や「余剰電力の買い取り制度実施」を挙げていますが、原発の推進姿勢に比べて不充分なことは言うまでもありません。ただ、菅首相は全量買い取りの道筋をつけたいようです。創設以来、「再生可能エネルギーの普及の足しになれば」と毎月500円寄付してきた筆者ですが、先日送られてきた最後の事業報告書を読みながら、何とも苦い思いに囚われるのを禁じえませんでした。

(参考資料:「グリーン電力基金平成22年度事業報告書」財団法人広域関東圏産業活性化センター、「日本におけるグリーン電力の状況」WWFジャパンホームページ北海道グリーンファンドホームページ

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