「それは私たちが小さいから(笑)」
サッカー女子ワールドカップで優勝した日本代表のミッドフィールダー、宮間あや
選手は、準決勝のスウェーデン戦に勝った後、外国人記者から「日本の強さの秘密
は?」と問われ、英語でこう答えていました。
「私たちは何が何でもボールを支配するつもりでした。そうすれば突破口が見つかる
と考えたからです。今日はそれがしっかりできました」
宮間選手は決勝の対アメリカ戦でも貴重なゴールとアシストを決めましたが、彼女
をはじめ「なでしこジャパン」の面々は陽気でした。前半、日本のパスがことごとく
アメリカ選手の高い身長や長い足に阻まれて防戦一方だったにもかかわらず、後半開
始前、ピッチに登場してくる彼女たちの表情は明るかった。それはPK戦まで変わり
ませんでした。
国内女子サッカー「なでしこリーグ」は、Jリーグに比べると決して恵まれた環境
にあるとはいえません。伸び悩む観客動員数、親会社の経営難による戦力外通告な
ど、選手の多くは様々な苦難を乗り越えてきました。主将の澤選手でさえ、今年初め
に所属の日テレベレーザを退団しています。彼女たちの笑顔は、逆境を克服してきた
がゆえの表情に見えました。
だから今回の快挙に「感動をありがとう!」といった言葉は使いたくありません。
このような物言いはアスリートを見下ろしているように聞こえてしまうのです(政治
家にも利用されやすいですし)。
彼女たちの卓越した技術とそれに裏打ちされた強靭な精神力には「感謝」ではな
く、「賞賛」こそがふさわしいと思います。だから、
なでしこジャパン世界一、おめでとう!