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日めくり編集メモ 174

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中村小山三(こさんざ)。大正9年(1920820日生まれですから、きょう91歳を迎える現役の歌舞伎役者です。歌舞伎の名門・中村屋のご意見番として先代勘三郎から3代に仕えてきました。

小山三さんが当時の3代目中村米吉に入門したのは4歳のとき。入門の際に「お前、名前はなんていうんだい」と聞かれて「バーカ」と答えた話は実に有名。この米吉はのちの17代目勘三郎です。192610月、中村小米を名乗り初舞台。のちに中村蝶吉を名乗りますが19486月、中村しほみで名題昇進。1959年歌舞伎座で、現在の18代目勘三郎が9代目勘九郎として初舞台を踏んだ『昔噺桃太郎』のお雉で2代目中村小山三を襲名しました。

小山三さんの芝居は、舞台に登場しただけで古風な味と色気が出ます。中でも『東海道四谷怪談』の宅悦女房おいろや、『籠釣瓶』の下女、『髪結新三』のお菊などは絶品。最近では「小山三!」と声がかかることも珍しくありません。17代目勘三郎、18代目勘三郎、勘太郎、七之助と3代にわたって中村屋に仕えてきた小山三さんは「中村屋の乳母」とも言われるそうです。勘太郎さんには先日男の子が生まれましたから、4代となるとすごいことです。

彼とまったく同年同月同日に生を享けた歌舞伎役者がもう一人います。人間国宝の4代目中村雀右衛門さん。小山三さんはこのことを「おんなじ日に生まれたのに、あっちは人間国宝、こっちは大部屋。どうしてこんなに違うのかしらね」と笑っています。雀右衛門さんはこのところ出演がありませんが、彼の分まで頑張っていただきたいものです。小山三さんのこまやかさに17代目勘三郎はこう言ったそうです。「俺が死んだら棺桶に小山三を入れてくれ」

(参考資料:「歌舞伎俳優名鑑」日本俳優協会ホームページ、小山三ひとり語り「演劇界」20111月号から連載中)

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