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日めくり編集メモ 180

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野田新内閣では原発事故担当相に加え、環境相も務めることになった細野豪志氏の、「放射性物質汚染廃棄物の最終処分場を県外に求める」という発言が波紋を広げています。

この発言は、報道によれば「(汚染された土壌や瓦礫などの廃棄物を一時的に保管する中間貯蔵施設を)最終処分場としないため、大量の廃棄物を県外に移す技術を開発しないといけない」というものです。さらに「福島の痛みを日本全体で分かち合うことが国としての配慮ではないかと思っている。福島を最終処分場にはしないということは、方針としてできる限り貫きたい」とも。これに対して澎湃として起こった反論はすさまじいものでした。放射性物質を拡散させないという原則からすれば、当然のことでしょう。

とはいえ、それは現実として正論ですが、今まで首都圏の都市部が受けてきた電力の恩恵を考えると、声高に物を言う気になりません。福島の人々に寄り添った気持ちが感じられないのです。心情的に、これ以上の負担を強いることに賛成の人はいないでしょう。それでも、福島に何らかの痛みをお願いするのであれば、出し惜しみする姿勢を改め、この現状に対する正確な情報開示と丁寧な説明、そして真摯な謝罪から始めなくてはならないはずです。そういったことに、国はどれだけの努力をしてきたのでしょうか。

他県に最終処分場を造ることの難しさを考えると、中間貯蔵施設がそのまま事実上の最終処分場になってしまう可能性があります。ゆえに細野氏の発言は、中間貯蔵施設を福島県に受け入れてもらうためのものでは、との意見もありますが、これでは青森県への核施設押し付けの構図と変わりません。通常運転でも年に1.25万トンもの放射性廃棄物の出る原発。「核のごみ」について今まで見ないふりをしてきたことに加え、いったん起こってしまった重大事故の後始末の現実――その代償のあまりの高さに呆然とするばかりです。

(参考資料:「環境相“最終処分場 県外へ”」NHKニュース2011年9月4日「放射性廃棄物の処理処分」原子力教育支援情報提供サイトあとみん

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