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日めくり編集メモ 206

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東京都の石原慎太郎知事が11月4日の定例会見で、被災地の瓦礫受け入れへの反対や苦情について「黙れ」と発言したことに波紋が広がっています。

この問題は岩手県の瓦礫約30トンの処理を東京都が受け入れ、11月3日から処理を始めたこと。東北地方以外の自治体での受け入れは初めてのことです。ただ、受け入れを表明した直後から意見が寄せられ、その9割が反対や苦情だったそうです。放射性物質による汚染の不安が根強いことに加え、その受注先が東京電力の関係会社であることも不透明感に拍車をかけています。

都の説明によると、11月中に宮古市分の1000トン、さらに2013年度までに岩手、宮城両県から計50万トンを受け入れる計画です。これを中間処理施設で破砕、選別後、東京湾に埋め立てます。放射性物質対策としては、処理施設の敷地境界で空間放射線量を週1回測定し、選別後のごみの放射線量や、焼却灰の放射性物質濃度なども月1回程度測って公表するとしています。

この受け入れに賛否さまざまな意見があることは当然ですが、トップダウンで決めたものを説明もなく「黙れ」と言うのは、やはり石原都知事の傲岸でしょう。「安全である」と強調するならともかく、「黙れ」というのは異論の封殺でしかありません。異論の封殺とは、すなわち独裁です。権力者が「黙れ」と言うことの恐ろしさに、もっと敏感になったほうがよいのではないでしょうか。

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