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橋下氏は大阪で何をやってきたのか。

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 今週更新の中島岳志さんのコラムでも取り上げていただいていますが、今月27日は、大阪市長と府知事の「ダブル選挙」です。

 前者は現職の平松邦夫市長と、府知事からの「鞍替え」立候補となった橋下徹・前大阪府知事との正面対決。後者は橋下前知事が後継指名した「大阪維新の会」幹事長の松井一郎府議と、民主党・自民党の支援を受ける倉田薫・池田市長が有力とされています。どちらも、府議会で過半数を占め、大阪市議会でも第一党である地域政党「維新の会」とそれを率いる橋下前知事をどう見るか、の争いといえるでしょう。

 個人的には、川口創弁護士が「憲法はこう使え!」で取り上げていた「教育基本条例案」はじめ、橋下前知事と「維新の会」の掲げる理念や政策にはまったく共感できません。

 条例案からは、多様性の否定や、唯々諾々として権力に従う人間だけをつくり出そうとする姿勢を強く感じるし、「上からの命令には従うのが当然」といった内容の発言を繰り返す橋下前知事の人権感覚には大きな疑問を抱かざるを得ません(弁護士出身のはずなのに!)。何より、「公務員バッシング」のような、わかりやすい「敵」をつくり出して攻撃することで喝采を集め、それを民意として利用する(内田樹さん言うところの「(嫉妬、憎悪、羨望といった)人間のネガティヴな感情に同期して感情的な動員を行う」)手法にも、非常な怖さを感じます。

  けれど一方で、「新潮45」などに端を発した、橋下前知事の生まれ育ちや家族のことを取り上げての「ネガティブキャンペーン」にも、大きな違和感――というよりも嫌悪感を覚えます。

 そうした、出自の「暴露」が「バッシング」となってしまうことも、一部で指摘されているように、それが逆に「同情票」へとつながることも、どちらもおかしいし、腹が立つ。応援も批判も、(当たり前ですが)橋下前知事が何をしてきたのか、何をしようとしているのか、を基準になされるべきなのでは?

  ということで、その実績や政策を改めて検証・分析しているブログやツイートまとめなどを、いくつかご紹介してみます。最近の橋下前知事、「ダブル選挙」の次は、「維新の会」からの次期衆院選候補者擁立をちらつかせている(11月9日毎日新聞より)とも。その意味でも、これは絶対、大阪に住む人だけの問題ではないはずです。(riyu)

 

橋下知事のやってきたこと (ブログ「事務局長の着物な日々」より)

松井大阪府知事と橋下大阪市長の維新の会コンビが当選なら「大阪」は破産する(兵庫県の弁護士さんによるブログ「Everyone says I love you !」より)

連続黒字なのに、何故借金が増え続けるのか? 大阪府財政のカラクリを考える (辻よしたか・大阪市議会議員のツイートまとめ)

★「維新の会」の教育基本条例案については、川口弁護士の記事のほか、下記も是非。

教育基本条例再論(ブログ「内田樹の研究室」より)

 みずから独裁への道の敷石となる者 大阪府教育基本条例案とわたし(池田香代子ブログより)

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