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日めくり編集メモ 217

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沖縄防衛局の田中聡局長が沖縄と女性に対する蔑視発言を行い、更迭されたのは11月29日のこと。仲井真弘多沖縄県知事が「口が汚れる」と最大限の不快感を示したのも当然です。

この発言は地元紙・琉球新報が11月29日付の朝刊で報じ、発覚しました。記事によると、28日夜の報道陣との非公式な懇談会の席上、米軍普天間飛行場代替施設建設の環境アセスメント「評価書」の提出時期をめぐって、レイプになぞらえて「犯す前に犯しますよと言いますか」と発言したとのこと。「来年夏までに移設の進展がなければ普天間はそのまま残る」と固定化にまで言及しました。

松本龍前復興相や鉢呂吉雄前経産相を辞任に追い込んだのもオフレコ発言。このときは今回ほど報道機関に批判的な意見はなかったと思いますが、琉球新報はオフレコの約束よりも報道する公益性が勝ると判断したようです。同紙社説はこうも書いています。「いくら非公式の席でも、言っていいことと悪いことがある」。しかし、これを一防衛官僚個人の問題発言と矮小化してはなりません。

沖縄の怒りが爆発したのは、1995年に発生した駐留米兵による少女乱暴事件。主催者発表で8万5千人が結集する超党派の10.21県民大会が開催されました。県民はこの怒りを忘れているわけではありません。それを挑発するかのような今回の発言は、まさに国の差別意識と横暴さを露呈しました。本当に謝罪するなら、県民がこぞって反対する普天間基地の県内移設を断念すべきでしょう。

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